【2次試験】マジコンの事例Ⅰ講評(3)
前回の記事(コチラ)に続いて、今回も平成29年度の事例Ⅰの講評をしていきたいと思う。
今日も前提条件の確認から。
【前提条件】
受験生のリアルを筆者自身が体感するために、敢えて設問解釈、与件文読解、ざっくり骨子作成までを筆者自身が制限時間40分間で行ったものをベースにお伝えしていく。なので、精度はあくまで上記制限時間の範囲で筆者が認識した水準のものであり、現時点では誤りを含んでいる可能性があるという点は前提としてご認識いただきたい。
※ガチ解答例は後日時間無制限で作成するつもりなので、後になって筆者の解釈は変わる可能性がある点はご容赦いただきたい。
今回は事例Ⅰの第3問である。
※ここからはいつも通りの作業を設問別に進めていく。
【第3問】
①題意を定めて答案の型を決定する
題意は「メリット」なので、答案の型は「メリットは~である。」となる。
②制約条件を把握する
・「…、どのような戦略的メリットを生み出したと考えられるか。」
→単なる「メリット」ではなく「戦略的メリット」という言葉から、経営レベルのメリットを解答する必要がある。
③仮説を立てる
・「A社が工業団地に移転し操業したことによって、…」
→わざわざ「工業団地」と設問文に書かれているので、「工業団地」が答案作成上重要な意味を持つ可能性がある。
・「…戦略的メリットを生み出したと考えられるか。」
→「戦略的メリットがあったと考えられるか。」ではなく、わざわざ「戦略的メリットを生み出したと考えられるか。」という表現をしているのは、A社が意図してないメリットも含まれている可能性がある?
④答案の方向性
誘致優遇により資金面で有利な条件で、かつ広面積の工場移転→製造設備導入が可能
↓結果
(1)生産効率向上
(2)銘菓と言われたかつての商品と同等の品質や食感の確保
(3)日産50,000個の量産体制整備
を同時に実現できた。
※与件文の記述「地元の企業を誘致対象とした工業団地」から。「資金面で有利」という論点を書こうと最初から決めていたのだが、どこまで書いてよいか迷う。最初に⑤段落にある低利融資を使おうと思ったが、新会社設立時の資金に係る話なので工場移転と無関係と判断し捨て。その後、根拠が見つからず焦る。仕方ないので与件文「地元の企業を誘致対象とした工業団地」×「一次知識」で乗り切ろうと思うも、工業団地に関する事前知識が曖昧だったため、「税制措置だったよな?」「補助金ってあるんだっけ?」等と頭を駆け巡り若干時間浪費。結果、怖いので「誘致優遇」というぼかした表現で逃げることに。「誘致優遇」という言葉が一般的なワードなのか自信なし。
※HCCP(ハサップ)を答案に入れ込むかかなり迷ったが、設問文の「工業団地に移転し操業したこと」との因果関係が見えず、迷いに迷った結果除外。字数が余ったら入れ込む方針へ。
※工業団地の特性から「地域企業との連携促進」という論点も想起されたが、与件文にそれらしい根拠が見当たらないので今回は除外。字数が余ったら入れ込む方針へ。
⑤根拠
⑤段落「…、かつてと同じ品質や食感を出すために必要な機器を購入するために多額の資金が必要であり、…」
⑥段落「製造設備面の課題こそあったものの…」「…手狭になった工場を…」「…地元の誘致企業を対象とした工業団地…」
より、論点は製造設備導入に必要な「カネ」と「面積」と判断。そこから製造設備導入によるメリット(③答案の方向性の(1)~(3))を与件から引っ張ってきて列挙。
<所感>
正直、題意である「戦略的メリット」に対して忠実に答えているかと言えば、あまり自信なし。筆者の答案の方向性だと「カネと面積の問題を工業団地移転で解決→製造設備導入により、3つのことをいっぺんに実現できたこと」、すなわち「一石三鳥だぜ」ということを”戦略的”と解することになるが、かなり淡白な答案であると自分でも思う。「答案骨子を作成する段階では”戦略的”を意識する余裕すらなく、結果的にこういう答案の方向性になってしまった」というのが正直なところである。
次回に続く
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※ガチ解答例は後日時間無制限で作成するつもりなので、後になって筆者の解釈は変わる可能性がある点はご容赦いただきたい。
今回は事例Ⅰの第3問である。
※ここからはいつも通りの作業を設問別に進めていく。
【第3問】
①題意を定めて答案の型を決定する
題意は「メリット」なので、答案の型は「メリットは~である。」となる。
②制約条件を把握する
・「…、どのような戦略的メリットを生み出したと考えられるか。」
→単なる「メリット」ではなく「戦略的メリット」という言葉から、経営レベルのメリットを解答する必要がある。
③仮説を立てる
・「A社が工業団地に移転し操業したことによって、…」
→わざわざ「工業団地」と設問文に書かれているので、「工業団地」が答案作成上重要な意味を持つ可能性がある。
・「…戦略的メリットを生み出したと考えられるか。」
→「戦略的メリットがあったと考えられるか。」ではなく、わざわざ「戦略的メリットを生み出したと考えられるか。」という表現をしているのは、A社が意図してないメリットも含まれている可能性がある?
④答案の方向性
誘致優遇により資金面で有利な条件で、かつ広面積の工場移転→製造設備導入が可能
↓結果
(1)生産効率向上
(2)銘菓と言われたかつての商品と同等の品質や食感の確保
(3)日産50,000個の量産体制整備
を同時に実現できた。
※与件文の記述「地元の企業を誘致対象とした工業団地」から。「資金面で有利」という論点を書こうと最初から決めていたのだが、どこまで書いてよいか迷う。最初に⑤段落にある低利融資を使おうと思ったが、新会社設立時の資金に係る話なので工場移転と無関係と判断し捨て。その後、根拠が見つからず焦る。仕方ないので与件文「地元の企業を誘致対象とした工業団地」×「一次知識」で乗り切ろうと思うも、工業団地に関する事前知識が曖昧だったため、「税制措置だったよな?」「補助金ってあるんだっけ?」等と頭を駆け巡り若干時間浪費。結果、怖いので「誘致優遇」というぼかした表現で逃げることに。「誘致優遇」という言葉が一般的なワードなのか自信なし。
※HCCP(ハサップ)を答案に入れ込むかかなり迷ったが、設問文の「工業団地に移転し操業したこと」との因果関係が見えず、迷いに迷った結果除外。字数が余ったら入れ込む方針へ。
※工業団地の特性から「地域企業との連携促進」という論点も想起されたが、与件文にそれらしい根拠が見当たらないので今回は除外。字数が余ったら入れ込む方針へ。
⑤根拠
⑤段落「…、かつてと同じ品質や食感を出すために必要な機器を購入するために多額の資金が必要であり、…」
⑥段落「製造設備面の課題こそあったものの…」「…手狭になった工場を…」「…地元の誘致企業を対象とした工業団地…」
より、論点は製造設備導入に必要な「カネ」と「面積」と判断。そこから製造設備導入によるメリット(③答案の方向性の(1)~(3))を与件から引っ張ってきて列挙。
<所感>
正直、題意である「戦略的メリット」に対して忠実に答えているかと言えば、あまり自信なし。筆者の答案の方向性だと「カネと面積の問題を工業団地移転で解決→製造設備導入により、3つのことをいっぺんに実現できたこと」、すなわち「一石三鳥だぜ」ということを”戦略的”と解することになるが、かなり淡白な答案であると自分でも思う。「答案骨子を作成する段階では”戦略的”を意識する余裕すらなく、結果的にこういう答案の方向性になってしまった」というのが正直なところである。
次回に続く
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