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現役コンサルによる中小企業診断士試験対策&資格取得後のキャリア形成に関するブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役のコンサルタントが、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略、中小企業診断士資格取得後のキャリア形成に関する情報を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルティングスキルをベースに、独自の分析に基づく試験情報や経営コンサルタントとしてのキャリア形成上の要諦を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

【2次試験】マジコン流答案作成プロセスの復習(1)

今回は2018年度の2次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。


さてゴールデンウィークに突入したが、2次試験突破を目指すあなたはどのようにお過ごしだろうか?


この貴重な休みを活かして、ぜひ自分なりの課題を設定して、有意義な勉強を進めてほしい。



さて、本記事は2次試験を目指すあなたに向けて、マジコン流の答案作成プロセスの復習を連載形式で実施する企画である。


2次試験突破を目指すあなたのお役に少しでも立てれば幸いである。



それではさっそく。


筆者は答案作成を以下の4ステップで実施することをオススメしている。

【1】設問を解釈する
【2】与件文を読む
【3】答案骨子を作成する
【4】答案を作成する


本記事では「【1】設問を解釈する」について説明する。



【1】設問を解釈するのステップであなたが実施すべきことは以下の3点。


①題意を定めて、答案の型を決定する

設問を読んだら、まず題意を定める。設問で問われているのは「理由?」「要因?」「メリット?」「課題?」…という感じである。題意を定めたら、題意に基づいて答案の型を決め(例えば、題意が理由であるとわかったら、「理由は~である。」)、問題用紙の設問文の横に書いてしまう。そうすることで、「問われたことに対して答えていない」という最悪の状況を回避できる。


②制約条件を確認する

受験生の答案がある一定方向に収束するよう、試験委員は設問に「何を書くべき」か、「何を書いてはいけない」といったヒントを散りばめている。これは言わば答案作成においてあなたが厳守しなければいけない条件であり、筆者はこれを「制約条件」と呼んでいる。
制約条件はわざわざ試験委員が準備している条件なので、設問文からそれをしっかりと読み取り、「何を書くべきか」「何をかいてはいけないか」をしっかりと見定める。
なお、与件文に書かれていないヒントが設問文に書かれていることもあるため、設問文も「与件文の一部」だと思ってしっかり読むこと。
また、小問が設定されている場合(例えば、第1問(設問1)のような出題がされた場合)で、かつ第1問という大問そのものに設問文が書かれている場合は、大問そのものに記載されている設問文は(設問1)(設問2)・・・といった小問すべてにかかるので、各小問に取り組む際には必ず大問に書かれている内容に都度戻ってしっかり読んでから、問題にとりかかること。


③仮説を立てる。

設問文から読みとれる範囲で仮説を立てる。仮説を立てる目的は、与件文を読みに行ったときに解答の根拠に気づきやすくするためである。つまり、「人間は直前で想起した内容と類似のものが視覚に入ると引っかけやくなる」という特性があるため、それを利用するという技である。
なお、この時点で「各設問に書かれている特有のワード」にはしっかり着目しておきたい。この特有のワードをリンクワードとして意識することで、与件文との対応付けの精度が上がると共に、解答の根拠を見つける速度も上がる。与件文を読みに行く前に、リンクワードをしっかりと脳に刻んで、与件文を読みに行った際にはリンクワードに敏感に反応できるような状態を無意識でベルで実行できるように訓練してほしい。


本記事に関しては、以下の過去記事で復習できるので、一度確認してみてほしい。

【2次試験】答案作成のステップ総点検 ~設問文を読む①

【2次試験】答案作成のステップ総点検 ~設問文を読む②



以上で「【1】設問を解釈する」に関する説明は終わりである。



直近の試験である平成29年度2次試験の試験傾向と見ると、過去問と同じような問われ方をされる問題と、過去問では問われたことのないような問われ方をされる問題とがある。
※これは平成29年度の2次試験に限らず、毎年そうなのだが…。

平成29年度の事例Ⅰでは後者の設問が多かった(例えば、「最大の要因」「経営体制」「戦略的メリット」「リスクの可能性」等がそれに該当する)。


過去問と異なった問われ方をすると題意を定めることが難しくなるため、焦る受験生も多い。


しかし与件文をしっかり読むと、おぼろげながらに何を問うているかが見えることも多い。


過去に問われたことがないような設問文が出題されても焦ることがないよう、自己学習の過程でしっかりと対策を講じておいてほしい。


マジコン診断士

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【2次試験】2次試験突破のためのヒントが隠れている?(後編)

今回は2018年度の2次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。


少し間が空いてしまったが、前回の記事「【2次試験】2次試験突破のためのヒントが隠れている?(中編)」では、以下の成長フローを2次試験に照らし合わせた場合、2つの見方があることをお伝えした。
成長するためのフロー



本記事では、アウトプットの先を意識した答案について書こうと思う。




アウトプットというものは、当然のことながら何かしらの目的があってなされるものである。


その意味で言えば、アウトプットされたそれでおしまいということにはならない。


過去記事「【キャリア】コンサルタントしてValueを出すために(後編)」でも示した通り、アウトプットの先には「何か」がある。


それを示した図が以下である。
アウトプットの先には



過去記事「【キャリア】コンサルタントしてValueを出すために(後編)」では、コンサルタントがValueを出すためのアウトプットに関して書いたので、あなたのアウトプットのゴールは


あなたがアウトプットをし、そのことが他者の行動を促し、それがクライアントの望む成果につながること


ということになる。





では、上記を2次試験に置き換えた場合、どうなるだろう?



あなたが2次試験の受験により達成しなければならない目標は何かといえば、「2次試験で合格点を確保すること」である。


そのためには、あなたの2次試験の4事例の答案の合計得点が240点を超えている、かつ1事例も40点未満の答案がないことが必要となる。



では、あなたが2次試験の目標を達成するために望む成果は何かといえば、


採点官(≒試験委員)があなたの4事例の答案に240点以上の得点を与えること


であることがわかる。




以上より、2次試験におけるあなたのアウトプットの目的は明確になった。



2次試験におけるあなたのアウトプットの目的は


採点官(≒試験委員)があなたの4事例の答案に240点以上の得点を与える行動を促すような答案を作成すること


である。




では、採点官(≒試験委員)が求める得点を与えるような行動を促すために、あなたが採るべきアクションは何だろうか?



大別して2つある。


<アクション①>
採点官(≒試験委員)が合格点を与えたくなるような答案を書く

<アクション②>
採点官(≒試験委員)が合格点を与えたくならないような答案を書かない



当たり前のこととあなたは思うかもしれないが、これは2次試験を突破する上で極めて重要なことである。


アクション①に関しては以下の過去記事をお読みいただきたい。

・「【2次試験】2次合格を目指す上で最初の最初に知っておくべきこと(重要)

・「【2次試験】現状のあなたの答案を合格答案するためにやるべきこと(1)


上記過去記事に解は書かれていないが、2次試験を突破する上で自分が何をすべきか(何をしてはいけないか)がわかるはずである。




アクション②に関しては様々な要素があるため、本記事では個別の説明はしない。


しかし2次試験において1つ重要なポイントを挙げるとすれば、


2次試験は答案のアイデアの良し悪しで差別化するような試験ではない


ということである。



2次試験で求められている答案は、あくまで


与件文のファクトに基づき、1次知識を活用して論理的に納得感がありかつ題意に忠実でわかりやすい答案


であることを忘れてはいけない。



逆に言えば、アクション②で示した「採点官(≒試験委員)が得点を与えたくならないような答案」は、上記定義から外れた答案ということである。



本記事のまとめである。


本記事で筆者があなたにお伝えしたいことはただ一つ。



あなたが2次試験突破を目指すのであれば、本試験までは


「採点官(≒試験委員)があなたの4事例の答案に240点以上の得点を与える行動を促すような答案を作成する」ための勉強をしましょう


ということである。


マジコン診断士

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【2次試験】2次試験突破のためのヒントが隠れている?(中編)

今回は2018年度の2次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。


前回の記事「【2次試験】2次試験突破のためのヒントが隠れている?(前編)」では、筆者から「コンサルとしてValueを出すための観点と中小企業診断士2次試験には関係があるのではないか?」という点を提起した。


今回はその続編である。



まずは以下の成長フローを見ていただきたい。
成長するためのフロー



このフローを2次試験に照らし合わせた場合、以下の2つの見方がある。


【見方①:中小企業診断士2次試験突破に必要な能力】
この点については過去記事「【2次試験】「2次試験突破に必要な能力」における重要な原理原則」をもう一度お読みいただきたい。


ポイントは以下の4点である。

①「1次知識力」は、「読む」「考える」「書く」のすべての能力を支えるインフラ的な役割を果たしている。
「1次知識力」が弱いと、「読む」「考える」「書く」のすべての能力が弱まる。

②「論理力」は、「読む」「考える」「書く」のすべての能力を支えるインフラ的な役割を果たしている。
「論理力」が弱いと、「読む」「考える」「書く」のすべての能力が弱まる。

③「考える力」は「読む力」をインプットにして活かされる能力である
「読む力」が弱いと、正しく考えられない可能性が高まる。

④「書く力」は「考える力」をインプットにして活かされる能力である
「考える力」が弱いと、正しく書けない可能性が高まる。


2次試験突破に向けて効果的な学習をするためには、あなたは自分の弱点をしっかりと定めて、そこを効果的に克服していく必要がある。

そのためにも、上記の4つの原理原則をしっかりと踏まえ、正しい手段で弱点克服をしていってほしい。



【見方②:中小企業診断士2次試験を解く際の手続きフロー】
「インプット」「思考」「アウトプット」という3つのプロセスをよく見ると、これは以下の通り2次試験を解く際の手続きそのものとマッピングすることができる。


・「インプット」 → 与件文、設問文を読んで解釈する。

・「思考」 → 答案の骨子を考える。

・「アウトプット」 → 答案用紙に解答を書く。


ここでのポイントは

あなたが答練や過去問を解いた際に上手く対応できなかった問題は、上記3つのプロセスの具体的にどこがボトルネックになっているのかをしっかりと見極めた上で、対策を講じる

ことである。


あなたが上手く対応できなかった問題は、上記3つのプロセスのどこかに問題があったからである。


例えば以下のようなことが挙げられるだろう。

●インプット
・与件文を読んだときに、よく意味が分からない文(ワード、論理構成含む)があった。
・設問文を読んだときに、よく意味が分からないワードがあった。
・設問文を読んだときに、何を問われているのかがわからなかった(→何を問われているかわからなかった真因は?)。 etc

●「思考」
・答案の方向性や結論そのものがわからなかった。
・答案の方向性はわかったがそれを構成するための論理的なパーツ(与件文の根拠、1次知識)を利用できなかった。
・与件文の要素(事実)を抜き出しただけの答案しか想起できなかった。
・多面的な視点で答案を検討することができなかった。 etc

●「アウトプット」 
・誤字、脱字、漢字忘れ、答案のマス目利用ルール違反等が発生した。
・指定字数内に文字数を収めることができなかった。
・因果関係が不明瞭な答案を書いてしまった。
・幼稚な表現、冗長・回りくどい表現等を用いて答案を書いてしまった、 etc


恐らくあなたが上手く対応できなかった問題は、上記の3つのプロセスそれぞれにおいて発生した問題が複合的に絡んで発生している可能性が高い。


ゆえにあなたは

それらの絡み合った問題をきちんと解きほぐした上で、それぞれに対して対策を決定することにより、次回の答練・過去問演習で同様の事象が再現しないようなアクションを採っていく必要がある

ということになる。



2次試験の難しさの一つに、「どのような対策を講じれば自分が合格に近づくのかが見えにくい」ということが挙げられる。


その難しさを克服するためポイントは、上記のような「分析と対策によるPDCAサイクル」を愚直に回していくことであると筆者は考えている。


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【2次試験】2次試験突破のためのヒントが隠れている?(前編)

今回は2018年度の2次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。


先般、「【キャリア】コンサルタントしてValueを出すために」という連載記事を投稿した。



もしあなたがまだお読みになっていないのであれば、まずは以下の3つの記事をお読みいただきたい。

【キャリア】コンサルタントしてValueを出すために(前編)
【キャリア】コンサルタントしてValueを出すために(中編)
【キャリア】コンサルタントしてValueを出すために(後編)




本記事の内容は、あなたがクライアントに対して成果をもたらすことができるコンサルタントとなるための1つの観点を示したものである。


そのような内容であるため、現在中小企業診断士2次試験突破を目指して勉強しているあなたにはあまり関係のないことと感じたかもしれない。



しかし、その考えは間違いである。



2次試験は筆記試験という形式で実施されるため、どうしても「答えを当てに行く試験」という先入観が強くなる。



確かに2次試験は答案用紙にあなたの答案を書く試験であることは間違いない。



しかし別の見方をすれば、「筆記試験という形式を採ったコンサルティング」であるとも言える。


言い換えれば、「紙面上で実施される箱庭のコンサルティング」ということである。


それがたとえ筆記試験という形式を採っていたとしても、あなたのコンサルティング能力を試す立派な1つの手段である事には変わりはない。



以上を踏まえれば、筆者の連載記事「【キャリア】コンサルタントしてValueを出すために」が2次試験と完全に無関係かと言えば、全くそんなことはないということになる。



むしろ上記本連載の内容には、あなたが2次試験を突破するためのヒントが隠されていると解釈していただきたいと考えている。



例えば、本連載で示した以下の成長フローを見ていただきたい。
成長するためのフロー

このフローを見た上でそれを2次試験に置き換えた場合、あなたに何か見えてくるものはないだろうか?




また、本連載で別途示した以下の図を見ていただきたい。
アウトプットの先には

上記の図を見て、あなたはこれが本当に2次試験と無関係と思うだろうか?



2次試験突破を目指すあなたに対して、次回の記事はこの辺を論点として情報発信していこうと思う。



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【2次試験】「ファクトベースで作られた答案」とは?(後編)

今回は2018年度の2次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。


【2次試験】「ファクトベースで作られた答案」とは?(前編)」では、あなたに例題を提示し、答案の方向性を考えてみてほしいという宿題をお出しした。


そして「2次試験】「ファクトベースで作られた答案」とは?(中編)」では設問解釈を通じて、以下の3点のポイントを抽出した。

・問われていることは「成果主義型賃金制度の設計および導入にあたっての留意点」である。

・成果主義型賃金制度の導入対象は「日本国内の課長以上の社員」である。

・「成果主義賃金制度の設計」と「成果主義賃金制度の導入」の両面から答案を検討する必要がある。



今回は上記を踏まえ、答案の方向性に関してヒントになる内容を書いて、あなたの思考力を鍛錬しようと思う。



まずは例題を振り返ってみる。


(与件文抜粋)
 もっとも、(A社にとって)品質の安定的な維持・確保は、非正規社員の多い日本の工場でもいまだに課題である。工場内の食堂など社員が集合する場所に、管理部、業務部、品質保証部、製造部の 4 部門各 2 課の目標と達成度合いを記した情報を掲示し、部門間や従業員同士の情報共有を促すとともに、社長自らが率先して、日々、意識改革やシステム改善に取り組んでいる。


(設問)
A 社は、日本国内で課長以上の社員を対象に成果主義型賃金制度を導入しようと考えている。中小企業診断士として、制度の設計および導入にあたって、A 社の場合、どのような点に留意すべきかを120 字以内で助言せよ。

(平成24年度中小企業診断士2次試験 事例Ⅰ)


まず当該段落の与件文を見ると、以下の文章に目が行く。


品質の安定的な維持・確保は、非正規社員の多い日本の工場でもいまだに課題である。



ここから2点のことがわかる。


1つめは、課題が「品質の安定的な維持・確保」であること。課題である以上、それを解決せねばならないことを認識する。

2つめは、「非正規社員の多い日本の工場でも」の「日本の」である。設問文を読むと、「A社は、日本国内で課長以上の社員を対象に成果主義型賃金制度を導入しようと考えている。」と書かれている。この与件文と設問文を対照することで明らかなことは、「日本の」と「日本国内で」が対応しているということである。つまり、この時点で、本設問の根拠はこの段落が対応する可能性に対してかなりの確信を持つことができる。



この2つを通じて論理的に導出されるのは、


日本国内における品質の安定的な維持・確保という課題を解決することが、成果主義賃金制度の導入の狙い


という仮説である。



続く与件文を精読する。

工場内の食堂など社員が集合する場所に、管理部、業務部、品質保証部、製造部の 4 部門各 2 課の目標と達成度合いを記した情報を掲示し、部門間や従業員同士の情報共有を促すとともに、社長自らが率先して、日々、意識改革やシステム改善に取り組んでいる。


この時点で、この文には大別して2つの要素があることに気づかねばならない。


【要素①】
(A社は)工場内の食堂など社員が集合する場所に、管理部、業務部、品質保証部、製造部の 4 部門各 2 課の目標と達成度合いを記した情報を掲示し、部門間や従業員同士の情報共有を促している。


【要素②】
(A社は)社長自らが率先して、日々、意識改革やシステム改善に取り組んでいる。



「~とともに…」という連語をしっかり意識することができれば、上記要素を一緒くたに見るということはなくなるだろう。
※この辺の内容は、「中小企業診断士2次試験対策【勇者の読解】~基礎力養成編」で解説している。




では、2つの要素に対して検討してみる。


【要素①】
「工場内の食堂など社員が集合する場所に、管理部、業務部、品質保証部、製造部の 4 部門各 2 課の目標と達成度合いを記した情報を掲示し、部門間や従業員同士の情報共有を促す」



この文から読み取れること(ファクト)は、以下の2点。


・要素①の実施目的は、「部門間や従業員同士の情報共有を促すこと」である。

・上記目的を達成する手段として、「工場内の食堂など社員が集合する場所に、管理部、業務部、品質保証部、製造部の 4 部門各 2 課の目標と達成度合いを記した情報を掲示」している。



ちなみにこの要素①の目的は「部門間や従業員同士の情報共有を促すこと」にあるが、その先の更なる目的は何かわかるだろうか?



それはもちろん課題である「品質の安定的な維持・確保」である。



ここで合点がいく。



「品質の安定的な維持・確保」のためには、「部門間や従業員同士の情報共有を促すこと」が重要である。


そのために、「工場内の食堂など社員が集合する場所に、管理部、業務部、品質保証部、製造部の 4 部門各 2 課の目標と達成度合いを記した情報を掲示」しているということである。



ここまでのファクトはよいだろうか?



以上を踏まえた上で、A社が成果主義賃金制度を導入する場合、留意すべき点はないだろうか?



成果主義賃金制度の特性を覚えている受験生はおわかりだろう?



そう。個人目標の達成を優先しがちになるんだった(一次知識)。



そのような特性の制度をそのまま入れてしまったら、「部門間や従業員同士の情報共有を促すこと」なんてできるのだろうか?



この辺りが解答上の論点になりそうだ。




【要素②】
「社長自らが率先して、日々、意識改革やシステム改善に取り組んでいる。」


この文からあなたに気づいてほしいことがある。



それは


「社長自らが率先して」という方法が本当に良い方法なのだろうか?


という素朴な疑問である。



もちろん社長自身が率先して意識改革やシステム改善に取り組むこと自体は悪いことではない。


しかし本来的なあるべき姿を考えると、社長は戦略的意思決定に集中して、意識改革やシステム改善はミドルマネジメントに権限移譲する方がよりベターなやり方と言えるだろう(一次知識を踏まえた仮説)。



以上を踏まえてA社のあるべき姿を仮説として検討すると、「ミドルマネジメントが意識改革やシステム改善に取り組む」という1つの方向性が導出される。



ん?ミドルマネジメント?どこかで似たような表現を見たような…。



お、設問文に「日本国内で課長以上の社員を対象に成果主義型賃金制度を導入しようと考えている。」と書かれている。



なるほど。



課長以上が進んで意識改革やシステム改善をするようなカラクリを仕込んでやれば、社長はハッピーということになりそうだ(仮説)。



ところで、意識改革やシステム改善って「改革するぞ」「改善するぞ」と言ってすぐにできるようなものなのだろうか?



後者はひょっとするとできるものもあるかもしれないが、少なくとも前者はすぐにできるような性質のものではない。



そうすると、これらは中長期的な取り組みになることが想定される。



以上を踏まえた上で、A社が成果主義賃金制度を導入する場合、留意すべき点はないだろうか?



ここも成果主義賃金制度の特性を覚えている受験生はおわかりだろう?



そう。短期業績志向に陥りがちで、中長期的取り組みが抑制されやすいのだった(一次知識)。



そのような特性の制度をそのまま入れてしまったら、「意識改革やシステム改善」は進むだろうか?


この辺りが解答上の論点になりそうだ。



ちなみに念のための確認だが、この要素②「意識改革やシステム改善」は何のためにやる必要があるのかわかるだろうか?



もちろん、これもまた課題である「品質の安定的な維持・確保」である。




おっと。設問解釈で抽出した以下の要素を忘れてはいけない。


・「成果主義賃金制度の設計」と「成果主義賃金制度の導入」の両面から答案を検討する必要がある。



上記で論点になりそうな要素は要素①と要素②の2つ。そして設問要求は成果主義賃金制度の「設計」と「導入」2つの面から検討する必要がある。


もし設問に対してシームレスに回答するのであれば、どちらかを設計面に織り込んで、どちらかを導入面に織り込むのがよさそうという察しがつく(仮説)。




以上で「【2次試験】「ファクトベースで作られた答案」とは?」は終了である。



え?マジコンの解答例は出さないのかって?



もちろん当該過去問に対する筆者なりの解答例は手元にあるが、それを出すとあなたの思考プロセスを止めてしまう。


そのデメリットの方が筆者は大きい思うので、本連載においては解答例は出さない方針としたい。




さて、3回に渡り本連載をお届けしたが、いかがだっただろうか?



筆者としては可能な限りファクトに基づいて答案の方向性を導出するプロセスを書いたつもりである。



もちろん、そのプロセスに筆者の仮説や1次知識が入り込んでいるため、その内容に対して納得がいかない読者もいることだろう。



それはそれでよいと思う。



なぜなら、2次試験というのは国語の試験ではないので、ファクトを抜き出すだけで答案を構成できる問題はごく一部だからである。



あなたが納得がいかない仮説や利用した1次知識に対してあなたの対論があり、それをベースに本試験で闘って合格を勝ち取れるのであれば、どちらが正しい・間違っているといったことなど何ら意味をなさない。



むしろ筆者がここであなたに強調したかったことは、


与件文の要素を思考の起点としつつ、そこから導出されうる仮説と1次知識を活用しながら大事に答案を構成することの重要性


である。



少しでも本連載があなたの2次試験の学習の助けになれば幸いである。


マジコン診断士

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Author:マジコン
現役コンサルタント。中小企業診断士試験独学ストレート1発合格。モットーは卓越した本質的スキル・知恵に基づく”マジなコンサル診断士”であり続けること。
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