現役コンサルによる中小企業診断士試験対策&資格取得後のキャリア形成に関するブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役のコンサルタントが、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略、中小企業診断士資格取得後のキャリア形成に関する情報を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルティングスキルをベースに、独自の分析に基づく試験情報や経営コンサルタントとしてのキャリア形成上の要諦を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

【1次試験】運営管理の過去問チャレンジ ~在庫管理

今回は2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。


それではさっそく、運営管理の過去問チャレンジ!


【過去問チャレンジ】
生産・販売活動における在庫に関する記述として、最も適切なものはどれか。(平成23年度運営管理 第14問)

(ア) 安全在庫は、経済的理由から補充量をまとめることによって発生する在庫で、その低減方法に段取りの費用や発注の費用の削減がある。
(イ) エシェロン在庫は、需要と供給の不確実性が原因で保有する在庫で、その低減方法に調達リードタイムの短縮や予測精度の向上がある。
(ウ) 見越し在庫は、需要の波のために必要となる在庫で、その低減方法に販売キャンペーンや低需要期の価格割引などによる需要の波の平準化がある。
(エ) ロットサイズ在庫は、多段階在庫システムにおいて対象とする在庫点とその下流にある在庫の合計で、末端に生じた変化をリアルタイムに各在庫点に波及させて表現できる。




















(解説)
在庫管理に関する問題である。

各選択肢を見ると、すべて「〇〇在庫は~で、…がある(できる)。」といった表現になっている。

この選択肢の文章表現の表現からあなたが正解選択肢をチョイスする観点は、以下の2段階で実施することになる。

<正解選択肢をチョイスする観点>
①「〇〇(在庫)」と「~」の内容が一致していること。
②①を前提に、さらに「…」の内容が正しいこと。


以下、各選択肢を検証する。


ア:安全在庫とは、「需要変動又は補充期間の不確実性を吸収するために必要とされる在庫。(JIS)」である。正解選択肢をチョイスする観点①で見てみると、この時点で「〇〇(在庫)」と「~」の内容が不一致なので、×である。

本選択肢の「~」の内容を見ると、これはロットサイズ在庫を指している。ロットサイズ在庫とは、「1回の補充で経済的理由から量をまとめることによって発生する在庫。 備考 サイクル在庫ともいう。(JIS)」である。購買面で言えば、資材を必要量以上のロットで購入することにより発注回数が減るため、その分発注費用が減るということである。一方で、その分平均在庫量が増えるため、在庫費用は増加することになる。製造面で言えば、必要量以上のロットで製品を製造することにより段取替えの回数が減るため、その分段取替えの時間が短縮される。一方で、その分平均在庫量が増えるため、在庫量は増加することになる。つまり、上記の例で言えば発注費用・段取替え時間と在庫費用がトレードオフの関係になるため、ロットサイジングによって最適な購買・製造ロットを定めることになる。これはロットサイジングと言う(「部品手配を行うとき、段取時間、発注コスト、保管コスト、納期などを考慮して、手配する部品の数量をまとめる活動。(JIS)」。なお、本件に絡む論点は平成24年度2次試験の事例Ⅲで出題されているので、確認してみてほしい。

解説が長くなったが、本選択肢を「ロットサイズ在庫」として解釈すれば、選択肢の後半部「その低減方法に段取りの費用や発注の費用の削減がある。」は正しいことになる。

本選択肢は主語が「安全在庫」となっているので×だが、主語と「ロットサイズ在庫」に読み替えれば正しい選択肢となるので、試験委員が提示した「ロットサイズ在庫」の定義としてよく読み込んでおくとよいだろう。



イ:正解選択肢をチョイスする観点①「~」部分記載の「需要と供給の不確実性が原因で保有する在庫」が目に入った時点で、これが安全在庫であることに気づきたい。この時点で本選択肢は×とわかる。ちなみに正解選択肢をチョイスする観点②「…」部分を見ると、「その低減方法に調達リードタイムの短縮や予測精度の向上がある。」と書かれており、これも主語を安全在庫に置き換えれば〇である。

ちなみにエシェロン在庫とは、「自社のある特定の場所だけの在庫ではなく、自社から見てサプライチェーンの下流の在庫点にある在庫の総和」のことである。ブルウィップ効果と合わせて暗記しておいてほしい。


なお、エシェロン在庫は平成27年度運営管理の第13問の選択肢アでも以下通り出題されている。

(ア) ある在庫点から見て、ものの流れにおける上流側の在庫点の在庫の総和によって定義される在庫量をエシェロン在庫という。

上流側の在庫点」ではなく、「下流側の在庫点」なので、本選択肢×ということになる。



ウ:見越し在庫とは、「あらかじめ予測できる変動への備えとしての在庫。(JIS)」である。正解選択肢をチョイスする観点①で見てみると、この時点で「〇〇(在庫)」と「~」の内容は一致しているので問題ない。

続いて、正解選択肢をチョイスする観点②「…」部分を見ると、「その低減方法に販売キャンペーンや低需要期の価格割引などによる需要の波の平準化がある。」とある。見越し在庫が予測可能な変動への備えとしての在庫であることがわかれば、需要の波の平準化という低減方法はバッチリである。ゆえに〇であり、本選択肢が正解選択肢であることがわかる。



エ:選択肢アとイで解説済みなのでよいだろう。これは「ロットサイズ在庫」ではなく、「エシェロン在庫」の内容であるため、×である。
※本選択肢を通じてエシェロン在庫の定義をしっかりと記憶していた人は、平成27年度運営管理の第13問の選択肢アを切ることができたはずである。



以上より、ウが正解である。

(解答)
(ウ)


本問題の解説で、筆者は以下の観点を出した。

<正解選択肢をチョイスする観点>
①「〇〇(在庫)」と「~」の内容が一致していること。
②①を前提に、さらに「…」の内容が正しいこと。


この問題では上記「~」の内容と「…」の内容に不整合はなかったので、主語である「〇〇(在庫)」部分と「~&…のセット」の整合判定のみで正解を導き出せる問題であった。

しかし、今後は「〇〇(在庫)」と「~」の内容は一致しているが、その後の「…」の内容だけが不一致であるという出題もあるだろう。なぜならば、上記だけで、試験委員はそれなりに正答率を落とすことができるからである。

今回のような問題に遭遇した場合は、ぜひ意識してみてほしい。


マジコン診断士

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現役コンサルタント。中小企業診断士試験独学ストレート1発合格。モットーは卓越した本質的スキル・知恵に基づく”マジなコンサル診断士”であり続けること。
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