現役コンサルによる中小企業診断士試験対策&資格取得後のキャリア形成に関するブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役のコンサルタントが、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略、中小企業診断士資格取得後のキャリア形成に関する情報を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルティングスキルをベースに、独自の分析に基づく試験情報や経営コンサルタントとしてのキャリア形成上の要諦を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

【2次試験】時系列を丁寧に押さえよう

過去記事「【キャリア】初回の社長ヒアリングでマジコンが事前に準備していること」では、リアルなコンサルティング現場での筆者の事前準備に関してお伝えした。


その内容は、「企業の沿革に沿って社長ヒアリングをするとよいことがあるよ」という話であった。


この点を2次試験に置き換えて考えてみると、決して無関係でないことがわかる。


なぜならば、与件文には必ず企業の沿革、すなわち事例企業の過去のイベントが書かれているからである。



さて、あなたが2次試験で企業の沿革をしっかりと押さえる上では、1つ重要なポイントがある。


それは、


時系列を丁寧に押さえること


である。


当然のことだが時系列を誤ってしまうと、外部環境の変化やそれに対応して採用した企業の戦略に対する理解があやふやになり、結果として正確な答案を構成することは困難になる。



例として、平成29年度事例Ⅰの与件文を見てみよう。

<第①段落>
 A社は、資本金 1,000 万円、年間売上高約8億円の菓子製造業である。A 社の主力商品は、…(中略)。A社は、2000 年の創業以来、毎年数千万円単位の規模で売り上げを伸長させてきた。近年では…(中略)。

<第③段落>
 長期的な景気低迷期の激しい企業間競争の中で順調に売上規模を拡大することができたのは、A社が事業を引き継ぐ以前のX社時代から、…(中略)。A 社の前身ともいえるX社は、70 年近い歴史を誇る菓子製造販売業の老舗であり、1990 年代後半までは地元の有力企業として知られていた。創業当初、小さな店構えにすぎなかった X 社は、…(中略)。しかしながら、1990 年代後半バブル経済崩壊後の長期景気低迷の中で販路拡大・生産力増強のための過剰投資によって巨額の負債を抱え、事業の継続を断念せざるを得なくなった。それに対して、…(中略)。

<第⑤段落>
 企業経営者としての経験がないといった不安を抱えながらも、周囲の後押しを受けてA社社長が過半数を出資し、X 社で共に働いていた仲間7名もわずかな手持ち資金を出資して事業再建の道をスタートさせた。主力商品だけに絞って、商品名を冠にした新会社設立の準備を急ピッチで進めた。資金の…(中略)。とはいえ、かつてと同じ品質や食感を出すために必要な機器を購入するためには多額の資金が必要であり、昔ながらの味を復活させるには、その後数年の年月がかかっている。餡あんづくりはもとより、旧式の窯を使用した焼き上げ工程を含めて菓子づくりのほとんどが、人手による作業であった製造工程を大幅に変更し、自動化によって効率性を高められるようになったのは、現在の工場が完成する 2005 年であった。

<第⑥段落>
 製造設備面の課題こそあったものの、商品アイテムを主力商品だけに限定してスタートした A 社は、創業直後から一定水準の売り上げを確保することができただけでなく、年を重ねるにつれ売り上げを伸ばし続け、今日の規模にまで成長したのである。2000 年代半ばには増資して、手狭になった工場を、そこから離れた郊外の、主に地元の企業を誘致対象とした工業団地に移転させた。また、…(中略)。

<第⑦段落>
 しかし、創業からおよそ 17 年の時を過ぎたとはいえ A 社の主力商品は、前身である X 社が築きあげてきた主力商品に依存しており、A 社が独自で創りあげたものではないことは事実である。かねてより目標として掲げてきた全国市場への進出の要件ともいうべき首都圏出店の夢もいまだにかなっているわけではない。売上高 30 億円というビジョンを達成するためには、…(中略)。


上記の与件文(抜粋版)の年代を示すワードは敢えて太赤字&下線で強調している。



さてここであなたに質問である。


上記の与件文の抜粋を読んで、時系列を丁寧に押さえながらその順序をきちんと把握できているだろうか?



筆者の理解では、以下の通りである。

・1920~30年頃:X社(A社の前身)創業
★ポイント
第③段落「70 年近い歴史を誇る菓子製造販売業の老舗であり」から、”1990年代後半(X社が倒産した年)-70年”で算出。

・1990年代後半:X社倒産
★ポイント
第③段落に記述あり。

・2000年:A社創業
★ポイント
第⑤段落にA社創業の内容が書かれているが、創業した年は直接記載されていない。しかし、第①段落に「A社は、2000 年の創業以来」と書かれているため判別可能。

・2005年:現在の工場完成
★ポイント
第⑤段落に記述あり。なお、第⑤段落記載の「その後数年」の「数年」は「5年」、第⑥段落記載の「2000 年代半ば」は「2005年」であることを確認しておきたい。

・2017年:現在
★ポイント
第⑦段落「創業から17年」から、「2000年(A社の創業した年)+17年」で算出(まあ、2017年度の試験なのでそれは2017年だろう…)。



上記で筆者が整理した内容は、正に「企業の沿革」そのものだろう。


しかし例でもお分かりいただける通り、平成29年度の事例Ⅰにおいて出来事の時系列を丁寧に押さえるためには、与件文をしっかり読まないといけないことがおわかりいただけると思う。


筆者の考える要因は以下の2点である。

要因①:同じ”年”を与件文に複数回記載する場合、表現を少し変えている場合がある
※第⑤段落記載の「2005年」は、第⑥段落で「2000 年代半ば」と記載されてある。

要因②:出来事が必ずしも段落順で書かれているわけではない
※第⑥段落記載の「2000 年代半ば」=「2005年」であることを読み取れないと、⑤段落、⑥段落の関係がやや分かりにくくなる可能性がある。



結論を述べよう。


2次試験攻略のカギの1つは「与件文の時系列を正確に押さえること」



である。


そして、


試験委員は受験生を惑わすため、「時の表現を変える」「時系列と段落順を不一致にする」等の仕掛けを施す可能性がある

ということを知っておいてほしい。



マジコン診断士

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現役コンサルタント。中小企業診断士試験独学ストレート1発合格。モットーは卓越した本質的スキル・知恵に基づく”マジなコンサル診断士”であり続けること。
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