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現役コンサルによる中小企業診断士試験対策&資格取得後のキャリア形成に関するブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役のコンサルタントが、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略、中小企業診断士資格取得後のキャリア形成に関する情報を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルティングスキルをベースに、独自の分析に基づく試験情報や経営コンサルタントとしてのキャリア形成上の要諦を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

【1次試験】企業経営理論の過去問チャレンジ ~組織活性化(1)

今回は2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。

それではさっそく過去問チャレンジ!

【過去問チャレンジ】
営業部門や製造部門、あるいは研究開発部門などの間で、しばしば部門間コンフリクトが発生することがある。このような場合、コンフリクトへの対応として最も適切なものはどれか。(平成18年度企業経営理論 第13問)

(ア) コンフリクトを起こしているそれぞれの部門内に独自にトレーニング・グループをつくり、組織開発の手法をとり入れた訓練を行う。
(イ) コンフリクトを起こしている部門間に共通の目標を共有させ、情報を共有させるとともに、各部門の専門性を損なわないよう独立した評価システムを導入する。
(ウ) コンフリクトを起こしている部門に対して、インターネットなどのITを導入して情報を共有させ、直接に共同の意思決定をする機会そのものを減らす。
(工) コンフリクトを起こしている両部門を1つの部門に統合することを通じて、相互依存を認識しなくでは意思決定できないようにし、予算や人件費を削減する。
(オ) 部門間人事異動を定期的もしくは不定期に行うことを通じ、それぞれの部門の目標や課題を理解できる人材を増やし、コミュニケーションを活発にするような横断的関係を設ける。




















(解説)
今日から組織活性化に関する問題を取り上げる。今回は部門間コンフリクトに関する問題である。

コンフリクトは、衝突、葛藤、対立といった意味の言葉である。個人はみな違うし、組織間で利害は異なることも多いので、組織においてコンフリクトは不可避なものであろう。字面だけ見ると、コンフリクトは組織運営におけるネガティブなものとして捉えられがちなのだが、その過程を通じて組織活性化へとつながる場合も多いというポジティブな側面もある。このように、コンフリクトを組織活性化や組織構成員の成長機会と捉えて積極的に活用していこうとする考え方をコンフリクトマネジメントという。

コンフリクトが発生した際に人間がとる態度は、以下の5つに分類される。
①競争:権力や圧力で、自らの意見を相手に強制する。Win-Loseの関係になる。
②受容:相手の意見を受け入れる。Lose-Winの関係になる。
③妥協:双方が要求水準を落として譲歩する。
④回避:対立状況自体を回避して、先延ばし。
⑤協調:双方の利得を大きくするような解決策を見つける。Win-Winの関係になる。

コンフリクトの解消のポイントは、コンフリクトが発生している部門間の関係を「Win-Lose(=ゼロサム)」や譲歩・先延ばしの関係から「Win-Win(双方が現時点よりも向上する)」方向に持っていくことにある。上記の5つの態度を見れば、「⑤協調」のアプローチにより解消を図ることが、コンフリクトマネジメントの基本であることはおわかりいただけるだろう。


それでは各選択肢を検証する。

ア:本設問は「部門間コンフリクトへの対応」に関する問題なので、「それぞれの部門内」で独自にトレーニングをしただけでコンフリクトの解消や活用ができるはずもない。部門間コンフリクトの解消や活用上大事なのは、「部門間の人間を交わらせて何をするか」であるゆえに×。

イ:「コンフリクトを起こしている部門間に共通の目標を共有させ、情報を共有させるとともに」まで読んで「ふむふむ」と思いながら、「各部門の専門性を損なわないよう独立した評価システムを導入する」でズッコケたあなたは、その感覚でOK。「せっかく共通の目標と情報を共有をしたのであれば、部門間協働での目標達成を促進するような評価システムにしろよ!」ということ。つまり、共通の目標、情報の共有だけではコンフリクトの解消にはならないでしょということ。ゆえに×。

ウ:「 コンフリクトを起こしている部門に対して、インターネットなどのITを導入して情報を共有させ、直接に共同の意思決定をする機会そのものを減らす。」って…、オイ!!例えれば、喧嘩した恋人同士が同じ部屋にいるにも関わらず、直接話さずにLINEでコミュニケーションしているみたいな感じだろうか?コンフリクトを解消するのなら、ITツール使った間接的なコミュニケーションではなく、直接のコミュニケーションで共同の意思決定をする機会を増やさねばダメでしょう。ゆえに×。
※最近はミーティングの効率化のために、同じ部屋にいながらもチャットで意見交換を行う落合陽一氏のような人もいるが、その話とこの話は別。

エ:「コンフリクトを起こしている両部門を1つの部門に統合することを通じて、相互依存を認識しなくでは意思決定できないようにし」を読んだ時点で、ちょっとドラスティックかつ安直な方法、かつコンフリクトが発生した状態での統合は統合時の組織運営リスクが高いようにも思える。しかし中長期的な視点での対応方法としてないことはないかもしれないと思いつつ、続けて選択肢の文を読む。すると、「予算や人件費を削減する」で「え?!」と違和感を感じたあなたは、その感覚でOK。コンフリクトを起こしている部門そのものは確かに統合されたかもしれないが、その部門構成員は出身部門の考え方や人間関係を持ち込んだまま1つの部門に収まっているはずである。その部門に対して予算や人件費削減を図ると、コンフリクトが再燃したり、新たに別の部門とのコンフリクトが発生する(なぜそちらの部門は前年と同じ予算・人件費なのに、うちの部門はカットされるんだ!等)はずである。ゆえに×、

オ:特に違和感はない。部門間人事異動を定期的もしくは不定期に行うことで、各部門の目標や課題を理解できる人材は増えるだろうし、コミュニケーションを活発にするような横断的関係を設けることもコンフリクト解消に効果的であろう。選択エの部門統合でも各部門の目標や課題を理解できる人材は増えるだろうが、やはりリスクはかなり高い。その意味で言えば、本選択肢が最も自然な対応と言える。ゆえに〇。


以上より、オが正解となる。

(解答)
(オ)


ここで少し余談を。

筆者は意図的にコンフリクトを発生させるような場を作り、コンフリクトマネジメントを通じて組織活性化を図るという手法をコンサルティングにおいて多用する。その際に筆者が考えていることは、さきほどご説明したコンフリクト発生時の人間の5つの態度の内、「⑤協調」に持っていくことだけである。

コンサルの立場である筆者は、そこに持っていくために必要に応じてファシリテートする役割に徹する。ハッキリ言って、綺麗な資料を作ってロジカルなプレゼンテーションをするより、コンフリクトマネジメントを通じてクライアントの自発的取り組みを促進する方が圧倒的にレバレッジが大きい。最初はクライアント企業の従業員同士に本音で議論させることに恐怖を感じるかもしれないが、そのうち慣れてくるのでトライしてみてほしい。筆者も最初は怖かったが、その効果に気づいてからはガンガンやるようになった。今となっては、筆者は敢えて火に油を注ぐような呼び水を出して、議論の過程で衝突を意図的に大きくしたりしてる(笑)。別に遊びやいじわるでそういうことをしているわけではなく、その分効果は大きくなるのである。


マジコン診断士

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現役コンサルタント。中小企業診断士試験独学ストレート1発合格。モットーは卓越した本質的スキル・知恵に基づく”マジなコンサル診断士”であり続けること。
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