現役コンサルによる中小企業診断士試験対策&資格取得後のキャリア形成に関するブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役のコンサルタントが、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略、中小企業診断士資格取得後のキャリア形成に関する情報を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルティングスキルをベースに、独自の分析に基づく試験情報や経営コンサルタントとしてのキャリア形成上の要諦を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

【1次試験】企業経営理論の過去問チャレンジ ~組織構造の設計原理(4)

今回は2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。

それではさっそく過去問チャレンジ!

【過去問チャレンジ】
ホスピタリティ産業やサービス産業などの企業では、顧客の多様な要求に迅速に応じる必要があり、従業員へのエンパワーメントが進んでいる。このような組織は、「逆ピラミッド」型組織といわれることもある。このような組織における管理に関する記述として、最も不適切なものはどれか。(平成21年度企業経営理論 第14問)

(ア) 従業員が業務遂行に必要なスキルや知識を定期的に確認し、行動実践に移すことができているか評価する。
(イ) 従業員に自分で判断し行動する権限を与え、上司はコーチとして従業員を信頼するとともに、支援していく役割を担う。
(ウ) 従業員には複雑なマニュアルではなく、顧客へのサービス哲学や組織の価値観を象徴する単純なメッセージを共有させる。
(エ) 従業員満足度調査の中で、上司のリーダーシップやキャリア開発への支援のあり方を部下が評価し、それを上司に直接提出させる。
(オ) 専門部門の垣根を越えてチームとして顧客に接するような組織文化を構築するために、従業員相互のコミュニケーションを促進する。




















(解説)
問題文に書かれている「エンパワーメント」は、コチラの過去問チャレンジでも出てきたワードなので、しっかりと押さえておきたい。

「逆ピラミッド型組織」についても説明しておこう。「逆ピラミッド型組織」とは、ピラミッドの最上位に顧客、次に顧客接点となる従業員、以下中間管理職、経営トップを配置する組織スタイルである。一般的な企業では、経営トップを最上位に、以下中間管理職、従業員と配置するピラミッド型組織構造であり、その逆のイメージだと思えばわかりやすいだろう。「逆ピラミッド型組織」では、「組織の価値評価は顧客が行うため、顧客接点となる従業員の役割は重要である。ゆえに中間管理職や経営トップ従業員にエンパワーメントしながら、従業員を支援をする存在であるべきである」という価値観を重視した組織スタイルだと思えばよい。

以上を踏まえ、各選択肢を検証する。

ア:特に違和感はない。「逆ピラミッド型組織」では、ピラミッドの最上位の顧客の次に顧客接点となる従業員を配置することで、それを重要視する価値観をベースとしている。その意味で言えば、顧客接点となる従業員のスキルや知識の定期的確認や評価は重要と考えるべきであろう。ゆえに〇。

イ:特に違和感はない。「逆ピラミッド型組織」では、顧客接点となる従業員にエンパワーメントをし、上司はそれを支援する存在であるべきである。ゆえに〇。

ウ:特に違和感はない。過度のマニュアル化は従業員の思考や行動を縛り付けることになり、結果的に従業員自身の自主性や判断の幅を狭めることになる。顧客満足度を高めるためには、従業員へのエンパワーメントを通じて、従業員自身の判断に基づく臨機応変な顧客対応を積極的に促すべきである。一方で、従業員が個人の価値判断基準のみに基づいて好き勝手に顧客対応をしてしまっては、その企業が大事にしている理念を体現した対応をすることは困難である。なので、顧客へのサービス哲学や組織の価値観を象徴する単純なメッセージの共有など、顧客対応をする上で企業が重要だと考える価値観を抽象レベルで従業員に浸透させることで、従業員はその価値観に沿いながら自主的な判断・行動を行えるような管理をすべきであろう。リッツ・カールトンやオリエンタルランド(東京ディズニーランド)における接客サービスをイメージするとわかりやすいだろう。ゆえに〇。

エ:「従業員満足度調査の中で、上司のリーダーシップやキャリア開発への支援のあり方を部下が評価し」まではよいが、「それを上司に直接提出させる」の時点で、「オイオイ、それはマズイだろう」と思ったあなたは、その感覚でOK。部下の上司に対する評価結果を上司に直接提出する方式としてしまったら上司はそれを参照できることになってしまうので、部下はそこに本音を書かない「おべっか大会」になってしまう。それでは適切な従業員満足度調査とはなり得ない。「封筒等で封書して見えないような提出方法とすれば、本選択肢は〇ではないのか?」というご意見もあるかもしれないので、選択肢オとの比較対象するために保留としておこう。
なお余談だが、筆者がコンサルティングの過程において従業員からアンケート調査をする場合は、たとえ封書をした提出方法であったとしても、提出先は私宛(つまりコンサルタント宛)に直接郵送という方式にしている。従業員から本音を引き出したいので、その阻害要因となりそうな要因は徹底して排除するという意図でこういう方式を採用している。

オ:特に違和感はない。顧客満足度向上のためには、部門の垣根を越えて顧客に接するような組織文化の構築は必要であろう。そのためにも、従業員相互のコミュニケーション促進は重要である。セクショナリズムによって、顧客へのサービスが低下することなどはもってのほかである。ゆえに〇。


以上より、(エ)が正解である。

(解答)
(エ)


逆ピラミッド型組織というなかなかおもしろいテーマの出題であったが、誤り選択肢の理由があまりにプアで若干拍子抜けしたかもしれない。なお、本設問はホスピタリティ産業やサービス産業等の企業における顧客満足度向上の論点としては、非常に勉強になる内容だと思う。(エ)以外の選択肢はいずれも試験委員が正解選択肢と見なしているものなので、2次試験の事例Ⅰや事例Ⅱ対策という意味でも、ぜひもう一度読んでみて中身を理解してみてほしい。インターナル・マーケティングやサービス・プロフィット・チェーンと絡めて本質理解をしておをくと、より盤石な知識となるはずである(コチラの過去記事で少しだけ触れている)。


マジコン診断士

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現役コンサルタント。中小企業診断士試験独学ストレート1発合格。モットーは卓越した本質的スキル・知恵に基づく”マジなコンサル診断士”であり続けること。
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