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現役コンサルによる中小企業診断士試験対策&資格取得後のキャリア形成に関するブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役のコンサルタントが、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略、中小企業診断士資格取得後のキャリア形成に関する情報を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルティングスキルをベースに、独自の分析に基づく試験情報や経営コンサルタントとしてのキャリア形成上の要諦を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

【1次試験】企業経営理論の過去問チャレンジ ~範囲の経済性(後編)

今回は2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。

それではさっそく過去問チャレンジ!

【過去問チャレンジ】
単一の事業を営む企業が多角化によって事業構造を変革し、持続的な成長を実現する行動は、「範囲の経済」の視点から説明できる。「範囲の経済」が存在すれば、企業が複数の事業を展開することによって、それぞれの事業を独立に営むときよりも、より経済的な事業運営が可能になる。(平成23年度企業経営理論 第7問)

(設問2)
文中の下線部に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

(ア) 2つの事業がお互いに補い合って1つの物的資源をより完全に利用して生まれる効果は、範囲の経済の効果である。
(イ) 2つの事業がお互いに情報的資源を使い合うと、資源の特質から使用量の限界がなく他の分野で同時多量利用できるため、物的資源を使い合うよりも効率性の高い範囲の経済を生み出せる。
(ウ) 合成繊維企業が蓄積した自らの化学技術を使用し、本業の補完・関連分野の事業に進出するのは範囲の経済の例である。
(エ) 範囲の経済が生まれるのは、基本的には未利用資源の活用が原因であり、企業規模が大きいほど経済効果が良くなることを意味する。
(オ) 範囲の経済は、多角化が進みすぎると新たに進出した事業と企業の保持しているコア・コンピタンスとの関連性が希薄になって生じなくなる。




















(解説)
前回もご説明した通り、「範囲の経済性」とは、「企業が生産量を増加させたり事業を多角化した場合に、一製品や一事業あたりのコストを削減できるという概念」のことである(Wikipedia)。「企業が複数の事業活動を運営することにより、共通費用を節約できること」のようなイメージであった。以下、本知識に基づいて各選択肢を正誤判定していく。

ア:特に違和感はない。例えば、2つの事業が1つの機械設備を共用することで、これまで50%の設備稼働率が90%になった(=より完全に利用する)ような場合を想定すればよいだろう。〇である。


イ:若干判定が難しいので、現場対応で判定する必要がある。本選択肢を読むと、3つの論点があることが分かる。
・論点1:情報的資源は、資源の特質から使用量の限界がなく他の分野で同時多量利用できる。
・論点2:情報的資源は、物的資源を使い合うよりも効率性の高い範囲の経済を生み出せる。
・論点3:論点2⇒論点3の因果関係の妥当性。

論点1に関して、情報的経営資源の特性を知っている人は、論点1が正しいことを理解できることだろう。情報的経営資源の主な特性としては、①目に見えないこと、②同時多重利用が可能であること、③使用による劣化がないこと、④市場からの調達が困難であること等がある。この特徴は覚えておいてほしい。以上を踏まえると論点1は問題なさそうである。

論点2に関して、物的資源は情報的経営資源のような「同時多重利用が可能なこと」「使用による劣化がない」等の特性がない。故に、物的資源以上に効率性の高い範囲の経済を生み出せると言えるので、論点2も問題なさそうである。

論点3に関しては、以上の説明を踏まえると、論点1⇒論点2に因果関係があることがわかるはずである。情報的経営資源が持つ特性ゆえに、物的資源より効率性の高い範囲の経済を生み出せるためである。論点3も問題なさそうである。

以上より、問題なさそうに見える。しかしこの時点で絶対的な確信をもって答えられないのであれば、いったん保留し、他の選択肢との妥当性比較で決定すべきであろう。保留。


ウ:特に違和感はない。化学技術という情報的経営資源を使用して本業の補完・関連分野の事業に進出することは、範囲の経済の例である。ゆえに〇である。


エ:「範囲の経済が生まれるのは、基本的には未利用資源の活用が原因であり」まで読んで「まあ、そうかな…」と思いながら、以降の文「企業規模が大きいほど経済効果が良くなることを意味する。」が目に入った瞬間に「なんでやねん!」と突込みを入れられたあなたは、その感覚でOKである。範囲の経済性は企業規模の大小とは関係ない。企業規模が大きいほど経済効率が良くなるのは、「規模の経済性」である。ゆえにこれは明らかな×である。


オ:これも判定が難しい選択肢ではある。要は、「多角化が進みすぎると、既存のコアコンピタンスとの関連性が希薄になるので、範囲の経済性は生じなくなる」という趣旨である。確かに既存のコアコンピタンスとの関連性が希薄になれば、事業間で重複利用できる部分が小さくなり、範囲の経済性は弱まるとは思う。しかし「生じなくなる」と言われると、ちょっと表現が強すぎる気がして悩む。しかし、選択肢エが明らかな誤りなので、ここは〇としておくべきなのだろう。


以上より、エが正解となる。

(解答)
(エ)


2回に渡って範囲の経済性の過去問にチャレンジいただいたが、どうだろうか?この2つの問題をしっかりと学習するだけでも、範囲の経済性に関してかなり勉強になるはずである。ぜひ本ブログを通じて学習したことを大事にし、しっかりと理解を深めてほしい。


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現役コンサルタント。中小企業診断士試験独学ストレート1発合格。モットーは卓越した本質的スキル・知恵に基づく”マジなコンサル診断士”であり続けること。
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