現役コンサルによる中小企業診断士試験対策&資格取得後のキャリア形成に関するブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役のコンサルタントが、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略、中小企業診断士資格取得後のキャリア形成に関する情報を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルティングスキルをベースに、独自の分析に基づく試験情報や経営コンサルタントとしてのキャリア形成上の要諦を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

【1次試験】企業経営理論の過去問チャレンジ ~規模の経済性

今回は2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。

それではさっそく過去問チャレンジ!

【過去問チャレンジ】
規模の経済は、モノづくりをする企業にとって重要である。規模の経済を説明する記述として、最も適切なものはどれか。(平成29年度企業経営理論 第8問)

(ア)売り上げの増大をもたらすように複数の製品を組み合わせて生産するようにする。
(イ)買い手にとって購入価値が高まれば販売数が増大するので、製品の普及度に注目してクリティカルマスを超えるようにマーケティング組織の規模を維持する。
(ウ)現有製品の特性を分析し直し、製品の構成要素の機能や性能を向上させて、新たな経済価値を付与した製品の生産を行う。
(エ)産出量の増大に伴って単位当たりの製品を産出する平均費用を低下させるべく、一度に数多くのアウトプットを産出するようにする。
(オ)累積生産量を増やして単位当たりのコストを下げるようにする。




















(解説)
各選択肢の正誤判定に入る前に、本設問の論点である「規模の経済性」を説明しておこう。規模の経済性を一言で言えば、スケールメリットのことである。事業規模の拡大や生産量の増大によって、製品1個当たりの製造コスト(平均費用)が低下することである。この前提知識をしっかり持っていれば、本設問には解答できるはずである。
ア:「売上を論点にしている点(→製品1個当たりの製造コスト(平均費用)に関する論点となっていない)」「複数の製品を組み合わせて生産することを論点としている点(→事業規模の拡大や生産量の増大に関する論点となっていない)」は双方とも、規模の経済性とは無関係なことである。ゆえに×。

イ:一見もっともらしいことが書かれている。「買い手にとって購入価値が高まれば販売数が増大するので、製品の普及度に注目してクリティカルマスを超えるように」という部分に着目すると、これは「事業規模の拡大や生産量の増大に関する論点」に近しいことが書かれているように解釈できなくもない。しかし問題なのは、肝心の「製品1個当たりの製造コスト(平均費用)が低下すること」の論点がどこにも書かれていないことである。この時点でこの選択肢は即正しいとは判断できない。
ちなみに「クリティカルマス」というワードは、これまでの企業経営理論の過去問でたまに出てくるワードなので覚えておいた方が良い。意味は、「商品やサービスの普及率が一気に跳ね上がる分岐点」のことである。なお、選択肢の「クリティカルマスを超えるようにマーケティング組織の規模を維持する。」が正しいの文なのか間違っている文なのかは筆者には判断できない。販売数の増加に伴ってマーケティング組織を縮小するという前提があるのであれば組織は維持すべきだし、そうでないのであれば組織は拡大するべきだろう。
但し、繰り返しにはなるが、そもそも本選択肢は規模の経済性の話をピンポイントで説明しているようには到底思えない。いったん保留。

ウ:選択肢に書かれている内容は正しいことを言っているのだが、そもそもこの選択肢は規模の経済性のことを説明した文ではない。製品価値の話をしているので、規模の経済性で重要なポイントである「事業規模の拡大や生産量の増大に関する論点」と「製品1個当たりの製造コスト(平均費用)が低下すること」とは無関係である。ゆえに×。

エ:これは正に規模の経済性の説明そのものである。「単位当たりの製品を産出する平均費用を低下させるべく」が「製品1個当たりの製造コスト(平均費用)が低下すること」の論点を説明しており、「産出量の増大に伴って」「一度に数多くのアウトプットを産出するようにする」が「事業規模の拡大や生産量の増大に関する論点」を説明している。文句なしの〇である。
※試験委員が「これが規模の経済性の説明なのだよ」と示しているのがこのエの選択肢なのだから、この選択肢をよく読んで、しっかり理解してしまったらどうだろうか?

オ:「単位当たりのコストを下げる」という言葉に引っかかってはいけない。これは罠である。本選択肢はその前の文「累積生産量を増やして」の部分が決定的にマズイ。この文言により、本選択肢は経験曲線効果の説明となってしまっているのである。
ここで、規模の経済性と経験曲線効果の違いに関して触れておく。規模の経済性は事業拡大や生産規模の拡大を行いさえすれば、時間を要さずに得ることができる効果である。シンプルに言えば、時間に関係なくガツンと設備投資しさえすれば平均費用が下がるということ。つまり、それは静的な効果なのである。一方、経験曲線効果はその効果を得るのに時間を要するが、必ずしも事業拡大や生産規模の拡大が必要なものではない。シンプルに言えば、時間をかけて経験を積むことで製品単位当たりの生産コストが下がるということつまり、動的な効果なのである。
その前提で考えた場合、「累積生産量」というワードと相性が良いのは、後者の経験曲線効果である。なぜならば、累積生産量が多いということは、それだけ生産の経験を積んでいるということであるからである。
この違いはしっかり理解しておかないと、緊張する本試験では意外と混乱する。しっかりと復習しておいてほしい。


以上より、エが正解となる。

(解答)
(エ)



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