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現役コンサルによる中小企業診断士試験対策&資格取得後のキャリア形成に関するブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役のコンサルタントが、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略、中小企業診断士資格取得後のキャリア形成に関する情報を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルティングスキルをベースに、独自の分析に基づく試験情報や経営コンサルタントとしてのキャリア形成上の要諦を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

【1次試験】企業経営理論の過去問チャレンジ ~5フォースモデル(Final)

今回は2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。昨日の記事(コチラ)をお読みいただいていると思うので、今回はきっと「2次筆記試験の合格発表待ちの受験生」も参加していただけることだろう。

それではさっそく過去問チャレンジ!

【過去問チャレンジ】
企業は環境の競争要因を分析して適切な戦略行動をとろうとする。その際の環境分析について考慮すべき点の記述として、最も不適切なものはどれか。(平成23年度企業経営理論 第4問)

(ア)コストに占める固定費の比率が高い製品の場合、企業は生産能力を最大限に活用しようとしがちであるため、業界は過剰生産に陥りやすいので、できるだけすばやくその製品を売り抜けて、業界からの撤退を図ることが重要になる。
(イ)自社が必要とする部材の供給企業が減少すると、競合企業との競争のため調達価格がつりあがりやすいので、代替的な部材の調達や自社開発を検討することも視野に入れておくことが重要になる。
(ウ)自社の製品やサービスと補完性のあるものを販売する企業と強いアライアンスがあると、顧客の望む価値を統合的に提供して競合他社にない競争優位を構築し得るので、このようなアライアンス相手を見出すことは重要になる。
(エ)新規参入企業がもたらす追加的な生産能力は、消費者の購入コストの上昇を抑え、競合企業には売上の減少や収益性の低下をもたらすので、参入障壁の強固さや参入企業への業界の反撃能力を点検することが重要である。
(オ)製品がコモディティ化すると、顧客のスイッチングコストが低下して、競合企業との価格競争が激化するので、差別化を目指すには一歩先んじた独自製品の開発とその販売を目指すことが重要である。




















(解説)
ア:「コストに占める固定費の比率が高い製品の場合、企業は生産能力を最大限に活用しようとしがちであるため、業界は過剰生産に陥りやすい」という文章は正しい。しかし「できるだけすばやくその製品を売り抜けて、業界からの撤退を図ることが重要」かと言われれば、あなたは「本当にそうか?」と疑問を持たねばならない。「コストに占める固定費の比率が高い」ということは、その業界には5フォースモデルでいう「既存事業者間の敵対関係が激化する要因が存在する」ことを意味する。そのような激化した敵対関係の中で、一体どのような手段で「できるだけすばやく製品を売り抜く」のかという疑問にあなたは答えられるだろうか?そのような敵対関係の中で採用すべき戦略は「製品売り抜けによる撤退」だけとは考えにくく、ましてそれが重要とは言えないはずである。例えば、既存事業者との差別化により競争に勝ち抜いていくという戦略も考えられる。そのような戦略を差し置いて、「製品売り抜けによる撤退が重要」と言える根拠には乏しいと言わざるを得ない。その意味で言えば、本選択肢は非常に怪しい。他の選択肢を見るため、いったん保留。

イ:因果関係を丁寧に見ていくことがコツである。まず「自社が必要とする部材の供給企業が減少する」→「競合企業との競争のため調達価格がつりあがりやすい」はよいだろう。需要量が変わらない中で供給企業が減少、つまり供給量が減少するので、価格は上がるはずである。続いて、「自社が必要とする部材の供給企業が減少すると、競合企業との競争のため調達価格がつりあがりやすい」→「代替的な部材の調達や自社開発を検討することも視野に入れておくことが重要」も問題ない。価格が上がりやすいのであれば、代替部材の調達や自社開発により、調達コストを抑える施策が必要となる。ゆえに〇。

ウ:本選択肢も因果関係を丁寧に見ていく。「自社の製品やサービスと補完性のあるものを販売する企業と強いアライアンスがある」→「顧客の望む価値を統合的に提供して競合他社にない競争優位を構築し得る」は問題ない。自社製品・サービスと補完性のあるものをアライアンスを通じて世に出せれば、顧客の臨む価値を統合的に提供できるし、競争優位を構築し得る(必ず構築できるとは限らないが”構築し得る”という表現でなので問題ない)。続いて、「自社の製品やサービスと補完性のあるものを販売する企業と強いアライアンスがあると、顧客の望む価値を統合的に提供して競合他社にない競争優位を構築し得る」→「このようなアライアンス相手を見出すことは重要」も問題ない。先ほどの因果関係で本件のようなアライアンスが重要であることは検証済みなので、そのようなアライアンス相手を見出すことはもちろん重要である。ゆえに〇。

エ:本選択肢も因果関係を丁寧に見ていく。「新規参入企業がもたらす追加的な生産能力」→「消費者の購入コストの上昇を抑え、競合企業には売上の減少や収益性の低下をもたらす」は問題ない。市場拡大のない前提下で新規参入企業による追加生産能力が発生した場合、新規参入前と比較して過剰供給となるため、価格の低下圧力が生じる。結果、競合企業の売上減少や収益性の低下につながる。続いて、「新規参入企業がもたらす追加的な生産能力は、消費者の購入コストの上昇を抑え、競合企業には売上の減少や収益性の低下をもたらす」→「参入障壁の強固さや参入企業への業界の反撃能力を点検することが重要」も問題ない。新規参入が売上減少や収益性低下につながるのであれば、それを許さないような点検が必要なはずである。ゆえに〇。

オ:本選択肢も因果関係を丁寧に見ていく。「製品がコモディティ化する」→「顧客のスイッチングコストが低下して、競合企業との価格競争が激化する」は問題ない。コモディティ化は覚えておきたい重要ワードである(他人に聞かれたときにすぐに説明できるだろうか?)。コモディティ化の意味は、「競合する製品同士で機能、品質等の面における差別化特性が失われて同質化すること」である。競合する製品同士が同質化すれば顧客のスイッチングコストは低下するし、価格競争は激化する。続いて、「製品がコモディティ化すると、顧客のスイッチングコストが低下して、競合企業との価格競争が激化する」→「差別化を目指すには一歩先んじた独自製品の開発とその販売を目指すことが重要」も問題ない。コモディティ化が差別化特性の喪失を意味するため、それを防止する施策が重要である。ゆえに〇。

以上より、アが正解となる。

(解答)
(ア)


今回で5フォースモデルの過去問チャレンジは終了である。比較的出題されやすい論点なので、ぜひしっかりと復習してほしい。なお、本ブログの過去記事でも5フォースモデルについては解説している。もし過去記事が気になるという読者は、まずは以下をポチっしていただいてから、バナーの下の方にあるリンクから過去記事に飛んでいただきたい。
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<5フォースモデルの過去記事>
■「【企業経営理論】5フォースモデルを理解しよう
■「【企業経営理論】環境分析のフレームワークの理解度確認模擬問題
■「【企業経営理論】環境分析のフレームワークの理解度確認模擬問題(続編)


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現役コンサルタント。中小企業診断士試験独学ストレート1発合格。モットーは卓越した本質的スキル・知恵に基づく”マジなコンサル診断士”であり続けること。
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