現役コンサルによる中小企業診断士試験対策&資格取得後のキャリア形成に関するブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役のコンサルタントが、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略、中小企業診断士資格取得後のキャリア形成に関する情報を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルティングスキルをベースに、独自の分析に基づく試験情報や経営コンサルタントとしてのキャリア形成上の要諦を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

【1次試験】なぜ診断士に経済学の勉強が必要なのか?

診断士の受験生には、以下のように感じている方も多い。


「なんで中小企業診断士の1次試験科目に経済学があるんだろ?経済学なんて企業の経営コンサルティングをする上で必要ないじゃないか!」



筆者なりにこの考えに関する反論はあるのだが、今回は敢えて、とある書籍に書かれている内容を引用して、中小企業診断士が経済学を学ぶ意義をお伝えしようと思う。


その書籍は以下である。




本書では、知的戦闘力を向上させるために必要なジャンルを11取り上げているが、そのジャンルの1つに「経済学」を挙げている。



本書の著者が考える「経済学を学ぶことの理由」は、以下の2点である。

①経済学が研究対象とする「経済」や「市場」が、ビジネスというゲームの基本ルールを規定しているため。
②「価値」という概念の本質について洞察を得ることができるため。


①に関しては、以下のロジックである。

「ビジネスの競争ルールを規定しているのは”市場”」
  ゆえに ↓
「”市場”の振る舞いを知ることがビジネスのルールを理解する上では重要」
  そして   ↓
「”市場”の振る舞いを研究しているのが”経済”」
  以上より ↓
「”経済”を学ぶことで、ビジネスのルールを理解することができる」

当然のことだが、企業の経営コンサルティングを行う中小企業診断士がビジネスのルールを知らなければお話にならない。だから中小企業診断士は経済学を学ばねばならないということである。



②に関しては、経済学がモノの価値の上げ方を教えてくれるからということである。具体的には、モノの価値は「需要と供給のバランスで決まる」という経済学の原則を踏まえることで、「自社が売っている物やサービスの価値を上げたければ、需給バランスをコントロールする意識の重要性」を認識できるということである。
守秘義務があるので詳細なことは書けないが、このことは、筆者が実際にコンサルティングしているクライアント企業でリアルに発生している(と筆者が考えている)問題点の1つであり、現在そこにメスを入れようかと考え始めているところである。供給量は企業サイドでコントロール可能な要素であり、そのことは同時に、企業は供給量を調整して「モノの価値」を自ら上げることができるということを意味するのである。
※無論、供給量を減少させることで「欠品による過剰な販売機会損失」や「顧客満足度の大幅な低下」による顧客離反を招いてしまっては本末転倒である。筆者がクライアント企業において「メスを入れようか考え始めている」という表現をしたのは、そのアクションを本当に採用して経営に悪影響がないのかどうかのファクトが現時点で取れておらず、現時点で提案するに至っていないためである。




あなたがマジなコンサル診断士として活躍する上では、経済学の勉強は決定的に重要であると筆者は考えている。


経済学に苦手意識を持つ受験生は多いかもしれないが、ぜひ高いモチベーションを持って勉強してみてほしい。


マジコン診断士

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【2次試験】時系列を丁寧に押さえよう

過去記事「【キャリア】初回の社長ヒアリングでマジコンが事前に準備していること」では、リアルなコンサルティング現場での筆者の事前準備に関してお伝えした。


その内容は、「企業の沿革に沿って社長ヒアリングをするとよいことがあるよ」という話であった。


この点を2次試験に置き換えて考えてみると、決して無関係でないことがわかる。


なぜならば、与件文には必ず企業の沿革、すなわち事例企業の過去のイベントが書かれているからである。



さて、あなたが2次試験で企業の沿革をしっかりと押さえる上では、1つ重要なポイントがある。


それは、


時系列を丁寧に押さえること


である。


当然のことだが時系列を誤ってしまうと、外部環境の変化やそれに対応して採用した企業の戦略に対する理解があやふやになり、結果として正確な答案を構成することは困難になる。



例として、平成29年度事例Ⅰの与件文を見てみよう。

<第①段落>
 A社は、資本金 1,000 万円、年間売上高約8億円の菓子製造業である。A 社の主力商品は、…(中略)。A社は、2000 年の創業以来、毎年数千万円単位の規模で売り上げを伸長させてきた。近年では…(中略)。

<第③段落>
 長期的な景気低迷期の激しい企業間競争の中で順調に売上規模を拡大することができたのは、A社が事業を引き継ぐ以前のX社時代から、…(中略)。A 社の前身ともいえるX社は、70 年近い歴史を誇る菓子製造販売業の老舗であり、1990 年代後半までは地元の有力企業として知られていた。創業当初、小さな店構えにすぎなかった X 社は、…(中略)。しかしながら、1990 年代後半バブル経済崩壊後の長期景気低迷の中で販路拡大・生産力増強のための過剰投資によって巨額の負債を抱え、事業の継続を断念せざるを得なくなった。それに対して、…(中略)。

<第⑤段落>
 企業経営者としての経験がないといった不安を抱えながらも、周囲の後押しを受けてA社社長が過半数を出資し、X 社で共に働いていた仲間7名もわずかな手持ち資金を出資して事業再建の道をスタートさせた。主力商品だけに絞って、商品名を冠にした新会社設立の準備を急ピッチで進めた。資金の…(中略)。とはいえ、かつてと同じ品質や食感を出すために必要な機器を購入するためには多額の資金が必要であり、昔ながらの味を復活させるには、その後数年の年月がかかっている。餡あんづくりはもとより、旧式の窯を使用した焼き上げ工程を含めて菓子づくりのほとんどが、人手による作業であった製造工程を大幅に変更し、自動化によって効率性を高められるようになったのは、現在の工場が完成する 2005 年であった。

<第⑥段落>
 製造設備面の課題こそあったものの、商品アイテムを主力商品だけに限定してスタートした A 社は、創業直後から一定水準の売り上げを確保することができただけでなく、年を重ねるにつれ売り上げを伸ばし続け、今日の規模にまで成長したのである。2000 年代半ばには増資して、手狭になった工場を、そこから離れた郊外の、主に地元の企業を誘致対象とした工業団地に移転させた。また、…(中略)。

<第⑦段落>
 しかし、創業からおよそ 17 年の時を過ぎたとはいえ A 社の主力商品は、前身である X 社が築きあげてきた主力商品に依存しており、A 社が独自で創りあげたものではないことは事実である。かねてより目標として掲げてきた全国市場への進出の要件ともいうべき首都圏出店の夢もいまだにかなっているわけではない。売上高 30 億円というビジョンを達成するためには、…(中略)。


上記の与件文(抜粋版)の年代を示すワードは敢えて太赤字&下線で強調している。



さてここであなたに質問である。


上記の与件文の抜粋を読んで、時系列を丁寧に押さえながらその順序をきちんと把握できているだろうか?



筆者の理解では、以下の通りである。

・1920~30年頃:X社(A社の前身)創業
★ポイント
第③段落「70 年近い歴史を誇る菓子製造販売業の老舗であり」から、”1990年代後半(X社が倒産した年)-70年”で算出。

・1990年代後半:X社倒産
★ポイント
第③段落に記述あり。

・2000年:A社創業
★ポイント
第⑤段落にA社創業の内容が書かれているが、創業した年は直接記載されていない。しかし、第①段落に「A社は、2000 年の創業以来」と書かれているため判別可能。

・2005年:現在の工場完成
★ポイント
第⑤段落に記述あり。なお、第⑤段落記載の「その後数年」の「数年」は「5年」、第⑥段落記載の「2000 年代半ば」は「2005年」であることを確認しておきたい。

・2017年:現在
★ポイント
第⑦段落「創業から17年」から、「2000年(A社の創業した年)+17年」で算出(まあ、2017年度の試験なのでそれは2017年だろう…)。



上記で筆者が整理した内容は、正に「企業の沿革」そのものだろう。


しかし例でもお分かりいただける通り、平成29年度の事例Ⅰにおいて出来事の時系列を丁寧に押さえるためには、与件文をしっかり読まないといけないことがおわかりいただけると思う。


筆者の考える要因は以下の2点である。

要因①:同じ”年”を与件文に複数回記載する場合、表現を少し変えている場合がある
※第⑤段落記載の「2005年」は、第⑥段落で「2000 年代半ば」と記載されてある。

要因②:出来事が必ずしも段落順で書かれているわけではない
※第⑥段落記載の「2000 年代半ば」=「2005年」であることを読み取れないと、⑤段落、⑥段落の関係がやや分かりにくくなる可能性がある。



結論を述べよう。


2次試験攻略のカギの1つは「与件文の時系列を正確に押さえること」



である。


そして、


試験委員は受験生を惑わすため、「時の表現を変える」「時系列と段落順を不一致にする」等の仕掛けを施す可能性がある

ということを知っておいてほしい。



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【1次試験】運営管理の過去問チャレンジ ~生産形態(Final)

今回は2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。


それではさっそく、運営管理の過去問チャレンジ!


【過去問チャレンジ】
見込生産の特徴に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。(平成27年度運営管理 第2問)
a 多品種少量生産である。
b 需要変動はなるべく製品在庫で吸収する。
c 営業情報やマーケットリサーチ情報に基づき需要予測を行い、生産量を決定する。
d 納期をどれだけ守れるかが生産管理のポイントとなる。

[解答群]
(ア) aとc
(イ) aとd
(ウ) bとc
(エ) bとd




















(解説)
見込生産の特徴に関する問題である。問われていることは極めて基本的な内容なので、絶対に落としてはいけない問題である。
a~dのそれぞれの特徴に関して、見込生産の特徴としてマッチする内容かどうかを検証していく。

a 多品種少量生産である。
⇒多品種少量生産は受注生産の特徴なので×。

b 需要変動はなるべく製品在庫で吸収する。
⇒特に違和感はない。見込生産は予め需要予測に基づいた計画的な生産に基づいて在庫されているので、在庫から製品を出荷・納品する。ゆえに需要変動に対する対応としては、「①生産計画の変更による対応」と「②製品在庫での吸収による対応」の2パターンが考えられる。前者は生産計画そのものの変更なので、製造現場へのインパクトが大きい。一方で後者であれば、「あるものを出すだけ」なので、製造現場へのインパクトは一般的に低くなる。後者で対応可能なレベルの需要変動ならば、その方が望ましいだろう。ゆえに〇。

c 営業情報やマーケットリサーチ情報に基づき需要予測を行い、生産量を決定する。
⇒特に違和感はない。bで説明した通りの記述なので〇。

d 納期をどれだけ守れるかが生産管理のポイントとなる。
⇒受注生産であれ見込生産であれ、納期は重要である。しかし、見込生産は基本的に製品在庫から出荷することになるため、(製品在庫さえあれば)納期上のポイントは物流リードタイム(以下、LT)ということになる。一方、受注生産は受注後に生産することになるため、物流LTだけでなく(原材料の)納入LTや生産LTも重要になる。その意味で言えば、「納期をどれだけ守れるかが生産管理のポイント」とまで言えるのは受注生産ということになる。ゆえに×。


以上よりbとcが適切な記述となるため、ウが正解ということになる。

(解答)
(ウ)


2次試験の事例Ⅲ対策も見据えると、このレベルの問題で「あれどうだったっけ?」と脳の知識を確認しているようではダメである。このレベルの問題に関しては無意識レベルで解答できるくらいに、生産形態の知識を深めてほしい。


今回で生産形態に関する過去問チャレンジは終わりである。基本的な問題を中心に取り上げたが、もう一度しっかり復習を進めてほしい。


マジコン診断士

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【キャリア】初回の社長ヒアリングでマジコンが事前に準備していること

昨日は新たに始まったコンサルティング案件の初回のヒアリング日であった。


筆者はコンサルティングの開始に当たって、経営層、ミドルマネジメント層(主に部門長)全員に対してヒアリングを行うことが多い。


今回の案件も同様の方式を採用することとしたため、昨日も朝9時から夜7時まで計7名の方に一気にヒアリングを行った。

そして朝一発目の9時からのコマが、社長に対するヒアリングであった。




過去記事「【キャリア】企業訪問前の企業分析のコツは?」では、営業活動時における企業分析のコツをお伝えした。

今回の記事は、実際のコンサルティング案件開始後において、筆者が初回の社長ヒアリングで事前に準備していることについて書こうと思う。




筆者は社長ヒアリングに望むに当たって、多くの中小企業で公開されている「ある情報」に沿ってヒアリングを進めていくようにしている。



その「ある情報」とは


企業の沿革


である。




多くの企業において、「沿革」はホームページの会社情報に掲載されている公開情報である。


筆者は社長ヒアリングの際に、この「沿革」のみを活用してヒアリングを行っている。




ヒアリングの事前準備として行っていることは、以下の3点である。


①沿革を時系列に読んでいき、各々の出来事に関して当該企業の当事者になった気持ちで可能な限り創造力を膨らませてイメージしてみる。

②沿革の各々の出来事に対して、「外部環境の変化とそれに対する企業の対応」「活かされている強み」に関して仮説を立てる。

③②の内、当該企業のターニング・ポイントとなっている出来事を仮説として定める(複数可)。




以上の事前準備ができれば、あとは社長に対するヒアリングを通じて②と③の仮説に関する答え合わせをしていけばよい。


以上の沿革に基づいたヒアリングをするだけで、当該企業の「SWOT分析情報」に関してかなり本質的な情報を掴むことが可能になるはずである。


そして一通りのヒアリングを終えたら、経営コンサルタントの立場から当該企業の沿革をターニングポイントとともに要約して言葉に発して確認するとともに、外部環境の変化と当該企業の強みに関して自分の言葉でコメントするとよいだろう。




「御社の強みは何ですか?」

「御社の業界内の競争関係はどのような状況ですか?」



このようにストレートな問いをベースにヒアリングをすることも悪い手段ではないだろう。



しかし沿革に基づいてヒアリングを通じてこれまでの会社の歴史を振り返ることで、社長自身が改めて思い出すこともあるだろう。


そして何より、そのヒアリング内容に基づいてあなたの言葉で当該企業の本質を社長にお伝えすることで


社長のコンサルタントに対する評価を高める効果がある


と思っている。



機会があれば、ぜひお試しいただきたい。


マジコン診断士

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【キャリア】経営コンサルティングのアプローチには2種類ある(後編)

今回の記事は、「【キャリア】経営コンサルティングのアプローチには2種類ある」の後編である。
※前編はコチラから。



前編では、経営コンサルタントがクライアントに提案する課題解決策の中には「やり直しがきくもの」と「やり直しがきかないもの」とがあることをお伝えし、「それを分かつポイントは何か」という課題をあなたに出した。


今回はそのポイントを筆者なりの視点でお伝えする。



筆者は以下の3つの基準で判断するようにしている。


【基準①】
課題解決に必要な経営資源が、現時点の当該クライアント企業のそれと比較して著しく大きい

【基準②】
課題解決策を実行に移してから、その成果が出るまでの期間が長い

【基準③】
仮に課題解決策の実行が失敗に終わった場合、当該クライアント企業に与えるその影響が著しく大きい



以上の基準の内、1つでも当てはまる事項がある場合、その課題解決策は「やり直しがきかないもの」と判断するようにしている。


この「やり直しがきかないもの」に関しては、実行可否の意思決定に対してかなり慎重に臨むべきものということになる。
※早急なリストラクチャリングが求められるケース等を除けば、意思決定の「速度」より「質」を重視すべき。当然、そのような場合でも期限は設けなければならない。



逆に言えば、上記の基準に1つも当てはまる事項がない課題解決策は、「やり直しがきくもの」なので「即実行すべし」ということになる。


即実行すべき「やり直しがきく」課題解決策は、とにかくPDCAサイクルを短いサイクルで高速に回していくことになる。




筆者の経験則で言えば、


正しい課題解決策に基づいて高速PDCAを回すだけでも、相当なレベルまでパワーアップする中小企業はかなり多い


と考えている。



実際、筆者がこれまでコンサルティングしてきた企業の経営課題の多くは、高速PDCAで解決可能であった。
※もちろんそう簡単に行かない性質の課題もあるが…。



コンサルティングにおいて、あなたはご自身の経験・知識と思考により、きっと立派な課題解決策を立案することだろう。


しかし、立案した課題解決策すべてをフラットな関係で捉えてはいけない。


その解決策の中には、「慎重に対応すべきもの」と「即実行すべきもの」とが混在しているかもしれない。


その点をきちんと意識しておかないと、取り返しのつかない事態を招く可能性がある。ぜひ十二分に留意してほしい。


マジコン診断士

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【1次試験】過去問を通じた勉強において意識しておきたいこと

2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。


今回はいつもの過去問チャレンジではなく、少し趣向を変えて、過去問の勉強法に関する記事を書こうと思う。


一般的に、1次試験に向けてこの時期は基礎力を養成する期間に充てることが一般的なため、現時点で過去問に手を付けていない受験生も多いことと思う。そのような受験生は、数か月後に過去問演習をする際の留意点として覚えておいてほしい。



それではさっそく。


まず、以下の過去問を見てほしい。


(平成22年度企業経営理論 第27問)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 消費者行動論の領域では、購買プロセスは、消費者が内部および外部からの刺激によって問題やニーズを認識した時に始まるとされている。こうした視点から消費者の購買行動をとらえると、消費者は一回一回の購買において、「問題認識」→「情報探索」→「代替案の評価」→「選択」→「結果の評価」からなる5段階の意思決定プロセスのすべて(または一部)を経由することになる。
(設問省略)




続いて、以下の過去問を見てほしい。


(平成21年度企業経営理論 第29問)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

消費者行動論の分野では、消費者の購買意思決定プロセスのモデル化が行われてきた。そのなかでも代表的なモデルは、問題の認識とその解決としての購買行動を前提として「問題認識」→「情報探索」→「【   】」→「選択」→「結果の評価」からなる5段階のプロセスによる説明を行っている。

(設問1)
文中の空欄に入る最も適切なものはどれか。

ア 購買目的の精緻化
イ 情報分散化
ウ 代替案の評価
エ トライアル購買
オ 取引条件の交渉


この2問を見比べて、あなたは何か感じないだろうか?


赤字部分に着目いただければ、あなたが確実に押さえるべきポイントが明らかになるはずである。




もう一つだけ例を挙げよう。


(平成24年度企業経営理論 第27問)
消費者行動に影響を及ぼす社会的要因のひとつである準拠集団に関する記述として、最も不適切なものはどれか

ア 近年家族の個人化が進んでおり、家族の消費者行動への影響を分析する際には、ライフサイクルだけでなく、ライフコースにも注目する必要がある。
(以下省略)




続いて、以下の過去問を見てほしい。


(平成26年度企業経営理論 第30問)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 消費行動の分析においては、一般的に消費者個人ではなく、家族という【 A 】 単位、あるいは家計という【 B 】単位が基本的な分析の単位として用いられる。その理由は、 【 C 】の選択や【 D 】の配分において、家族人数に代表される規模的要因が大きく影響するため、個人ベースでの分析よりも家計単位での分析が適しているからである。
 【 D 】の配分としての消費行動は、生活様式や【 C 】によって規定されるが、消費行動を分析する視点には、3つの代表的アプローチがある。それらは、①ライフサイクル・アプローチ、ライフスタイル・アプローチ、ならびに②ライフコース・アプローチである。いずれも、生活主体としての家族ないし個人の生活構造上の特徴に着目し、その集約的指標と消費行動とを関連付けて分析するための視点である。

(設問2)
文中の下線部①に示す「ライフサイクル・アプローチ、ライフスタイル・アプローチ」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 近年の家計調査によれば、家族ライフサイクルの終点近くに位置する後期高齢者による耐久消費財支出の増加傾向が読み取れる。
イ ライフサイクル・アプローチに示されるフルネスト(full nest)段階におかれた家計の消費支出をみると、医療、外食、ファッションといった項目の構成比が高まることが分かる。
ウ ライフサイクル・アプローチは、家族という集団を人の一生に例え、「家族のライフサイクル」の普遍的な共通性に着目したアプローチである。個別の家族に固有な出来事の影響を反映した分析を行う点に最も大きな特徴がある。
エ ライフスタイル・アプローチは、モチベーション・リサーチやパーソナリティ研究から発展したサイコグラフィクスを源流とするとされる。

(設問3)
文中の下線部②に示す「ライフコース・アプローチ」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア F さんは、アメリカ人の夫とともに英会話による学童保育施設を開業した。これは DINKS 型ライフコースを選択する家族の増加を受けてのことである。
イ ライフコース・アプローチでは、近年着目される「絆」の重視や「家族回帰」を通じた家族や友人グループの中での合意に基づいた集団的な意思決定の影響が尊重されている。
ウ ライフコースの概念では、ライフイベントごとの選択のあり方が個々の人生の道筋の多様化を生み出すとされている。これら選択の多様化によって、社会人教育や婚活(結婚活動)など新たな消費機会が生まれる。
エ ライフコースの複雑化により、年齢別労働力率曲線にみる女性の年齢階級別の就労状況は「V 字曲線」と呼ばれるようになっている。



上記の2問の例で言えば、平成24年度の過去問を勉強した際に「ライフサイクル」と「ライフコース」の意味をしっかりと理解していた受験生は、平成26年度の問題を受験した際には難なく対応できた可能性が高いだろう。



今回の記事で筆者があなたに伝えたいことは、


過去問を使用した勉強は、問題が解けかどうかはそれほど重要ではない


ということである。



もちろん過去問を解くことができれば、それはあなたにとって精神安定剤になるかもしれない。


せっかく時間をかけて過去問を解いたのだから、自己採点をして自分の実力を測りたいと思うかもしれない。


それ自体は特段悪いことではない。



しかしそれ以上に重要なことは、


”過去問”という試験委員が我々に提示してくれている最良の教材から、あなたがどれほど多くの学びを得ることができるか


ということである。




診断士の1次試験においては、過去問と全く同じ問題は基本的には出題されない。


ゆえに、その問題が解けたからと言って、それを本試験であなたが再現できるとは限らない。



しかし過去問と類似の問題、同様の論点に関して視点を変えた問題はかなり多く出題される。


つまり、過去問から多くを学ぶことができれば、あなたは本試験で闘える確かな実力をつけることができる可能性は飛躍的に高まる。



本記事を通じて、1次試験突破に向けた過去問演習の取り組みスタンスの参考としてほしい。


マジコン診断士

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【キャリア】経営コンサルティングのアプローチには2種類ある(前編)

今回の記事はキャリア編として、あなたが経営コンサルタントとして活躍するために極めて重要なポイントをお伝えしたい。



これは筆者のコンサルティング経験を踏まえた私見なのだが、経営コンサルティングのアプローチには大きく2種類あると考えている。




それは、


「即意思決定して即実行する課題解決アプローチ」



「慎重な意思決定に基づいて実行する課題解決アプローチ」


である。





この2つのアプローチを区別せずにクライアント企業の課題解決をあなたが図ろうとしているのならば、それは非常に危険かもしれない。



それはなぜか?


経営コンサルタントがクライアントに提案する課題解決策の中には、「やり直しがきくもの」と「やり直しがきかないもの」があるからである。



前者の課題解決策を経営コンサルタントとしてあなたが提案し、結果としてその解決策が失敗したとしたらどうなるだろうか?


当然、「やり直しがきく」のだから、もう一度やり直せばよいだけである。




では、後者の課題解決策を経営コンサルタントとしてあなたが提案し、結果としてその解決策が失敗ししてしまったとしたら、どうなるだろうか?


こちらは「やり直しがきかない」ということなので、もう一度やり直せばよいというわけにはいかない。


「やり直しがきかない」ということは、その時点でクライアント企業は何かしらの大きな障害にぶつかる可能性が高い。


そして最悪の場合、クライアント企業は倒産に追い込まれる可能性すらあり得るということになるだろう。





今回の記事は、マジなコンサル診断士を目指すああたにとっては恐怖に思えることかもしれない。


もしあなたがそうお感じになられたのであれば、今回の記事を契機に真剣に考えてみてほしい。



「やり直しがきく課題解決策」と「やり直しがきかない課題解決策」を分かつポイントは何か?


ということを。



(後編につづく)


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今日は…

いつもの記事投稿サイクルでは過去問チャレンジの回なのだが、今日は予定を変更して。



なぜ予定を変更したのかと言えば、今日は筆者に取って特別な日だからである。



では質問である。


今日は一体何の日だろうか?







とあなたに聞いたところで、あなたに思いつくところはないことだろう。




実は、


今日で本ブログは開設から丸1年を迎える


ことになる。



いつもブログ村バナーを律儀にポチっと押してくださる読者のみなさま


TwitterでいいねやRTをしてくださる読者のみなさま



これまで本ブログを支えてくださった読者のみなさまには、心より御礼申し上げます。



本当にありがとうございました。




手探りながらも1年間継続して記事を書き続けてこれたのは、読者のみなさまがいるからこそだと心から思っています。



今後も本ブログは


マジなコンサル診断士を目指す読者をターゲットに

「中小企業診断士試験合格に直結する情報」

「マジなコンサル診断士になるために有益なキャリア形成に関する情報」


の2点を中心に発信していきたいと思っています。



今後も筆者なりに、みなさまのお役に少しでも立てる記事を発信していく所存ですので、どうぞこれからも本ブログをよろしくお願いいたします。


マジコン診断士


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【動画】こだわり志向のハンドメイド家具店(補足)

先日の記事「【動画】こだわり志向のハンドメイド家具店」でご紹介した動画はご覧いただいただろうか?


今回の記事では、この動画に関して、少しだけ補足したい。



この動画における志願者に対してはなんと3名の社長が名乗りを上げ、志願者自身がいずれの社長からの出資を受けるかを選択できる立場になった。



3名の社長のパーソナリティに目を向けると、以下の違いがある。


【堀之内社長】

志願者の1億円の借金を返すためには、チマチマ経営してしてもダメである。夢を追うのは借金返済後でもよい。とにかく利益を出さねばならない。志願者が作っているような家具はどこにでもあるのだから、利益を出すためには原価を削減せねばならない。以上より、「カネは出すけど口も出す」という方針を前提に、マネジメントは堀之内社長が行い、家具の製造は志願者が行うスキームとしたい。




【貞廣社長】

形を持ったものは、人間から作られる。志願者の作った家具にも志願者がにじみ出ており、それこそがあなたのビジネスの心臓部分である。その製品であれば多くの人に広められる希望を持っているので出資したい。カフェを経営している経験からアドバイスはするが、経営に口出しはしない。




【岩井社長】

志願者には志願者の生き方があるのだから、「カネを出すけど口も出す」という出資方法は志願者を不幸にするかもしれない。志願者を束縛したくないので、そのような不幸につながるような道を志願者が選ぶのなら、私がお金を貸す。家具にも経営にも口出しはしない。




岩井社長は単純にお金を貸すだけでアドバイスも一切しない立場ということで他の2名と若干スタンスが異なるため、一旦除外して考えてみる。

すると構図としては、「堀之内社長 vs 貞廣社長」になる。




この動画を通じて、志願者はどの社長から出資を受けるべきだったかに関する筆者の自論を述べるつもりなど毛頭ない。




ここであなたにお伝えしたいことは、あなたが経営コンサルタントの立場になってこの志願者と向き合うことを想定してみた場合、


「堀之内社長バージョンのコンサル」と「貞廣社長バージョンのコンサル」の2通りのスタンスが存在する


ということである。


もちろん経営コンサルタントはクライアントに対して助言をすることが仕事なので、経営に対して口を出すことにはなる。ここであなたに着目していただきたい点は、経営に口を出すか出さないかではなく、経営に対するアプローチそのものの方である。


世の中には様々なスタンスのコンサルタントがいるが、本動画で紹介した2人の社長は、そのスタンスの違いを説明するための一例として非常にわかりやすいものであると感じた。


このような意図から、本動画を紹介させていただいた。



これはどのスタンスが正解・どのスタンスが不正解といった単純な話ではないと筆者は考えている。



ぜひご自身で考えを巡らせ、ご自身なりの解を導き出してみてほしい。


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【1次試験】運営管理の過去問チャレンジ ~生産形態(3)

今回は2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。


それではさっそく、運営管理の過去問チャレンジ!


【過去問チャレンジ】
個別受注生産での改善施策に関する記述として、最も不適切なものはどれか。(平成23年度運営管理 第19問)

(ア) 受注製品ごとの進度管理の精度を高めるために、追番管理方式を導入する。
(イ) 受注製品の納入リードタイムを短縮するために、設計部門と製造部門の業務を同時並行で行うコンカレントエンジニアリングを採用する。
(ウ) 製品仕様の変更や追加要求を回避するために、客先との間で取り交わす製品仕様書の記入内容を再吟味する。
(エ) 部材調達費の抑制や量産効果を得るために、部品や中間製品の共通化・汎用化を図る。




















(解説)
個別受注生産に関する問題である。さっそく各選択肢を検証する。

ア:「追番管理方式」が出てきた段階で、違和感を感じたあなたはその感覚でOK。追番(おいばん)管理方式は、生産の計画と実績に対してそれぞれ追番と呼ばれる累積番号を付与し、調達や進度管理を追番に基づいて行う管理のことであり、どちらかというと連続生産の生産管理に適した手法である(受注生産に使われないというわけではない)。”個別受注生産における受注製品ごとの進度管理の精度を向上する”改善施策という意味では、「製番管理方式」の方がより適切であろう。製番管理方式とは、「製造命令書を発行するときに、その製品に関するすべての加工と組立の指示書を準備し、同一の製造番号をそれぞれに付けて管理を行う方式(JIS Z 8141-3211) 」である。故に、個別受注生産での改善施策には適していないため、×である。

イ:特に違和感はない。コンカレントエンジニアリングとは、製品開発プロセスにおける複数の工程を同時並行で走らせることにより、開発リードタイムの短縮やコスト削減を図る手法である。選択肢に記載のある「受注製品の納入リードタイムを短縮する」改善施策としては有効である。ゆえに〇。
なお、コンカレントエンジニアリングを効果的なものとするためには、部門間での情報共有が極めて重要となる。その手段の1つとして、商品の企画、設計、開発、生産情報等を一元管理可能なシステムである「PDM(Product Data Management)」の導入が有効である点は、併せて覚えておきたい。

ウ:特に違和感はない。客先との間で取り交わす製品仕様書の記入内容を工夫する(例えば、過去の失敗事例に基づいてより細かく仕様書の項目を記載する等)ことで、モレの発生や認識齟齬の防止を図り、製品仕様の変更や追加要求を回避することは十分可能であろう。ゆえに〇。

エ:特に違和感はない。部品や中間製品の共通化・汎用化することができれば、調達部材の種類が減少するであろうし、1部品当たりの生産量も増加して量産効果を得ることができるであろう。グループテクノロジー(GT)の1種である。ゆえに〇。


以より、アが正解である。

(解答)
(ア)


マジコン診断士

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現役コンサルタント。中小企業診断士試験独学ストレート1発合格。モットーは卓越した本質的スキル・知恵に基づく”マジなコンサル診断士”であり続けること。
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