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現役コンサルによる中小企業診断士試験対策&資格取得後のキャリア形成に関するブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役のコンサルタントが、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略、中小企業診断士資格取得後のキャリア形成に関する情報を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルティングスキルをベースに、独自の分析に基づく試験情報や経営コンサルタントとしてのキャリア形成上の要諦を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

【1次試験】企業経営理論の過去問チャレンジ ~マーケティング目標設定(後編)

今回は2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。

それではさっそく過去問チャレンジ!

【過去問チャレンジ】
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。(平成25年度企業経営理論 第24問 設問2)


 企業は、その利益実現のための要素のひとつとして売上高の変化に関心を持つ。そして、売上高の変化にどのように戦略的に対応していくかを意思決定することが求められる。
 ここで、

  企業の売上高=対象市場規模×市場シェア

という定義式を用いることにする。この式の内容を図式化すると下図でとらえることができる。これを見ると、企業の売上高は対象とする市場全体の成長率だけでなく、市場シェアの変化によっても多様に変動することが分かる。また、このことは企業の戦略適応の方法が異なることも示している。
            H25-24.png

(設問)
文中の下線部に示す「異なる戦略適応」のパターンとそれらの特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。

(ア) 象限Aでは、対象市場の適否についての分析を早急に進めるとともに競争戦略の再検討が求められる。
(イ) 象限Bでは、対象市場の再選択が優先順位の高い作業となる。
(ウ) 象限Bと象限Cの状態でそれぞれ同じ程度の売上増を目標として設定した場合、Bの方がより多くのマーケティング費用が必要となる。
(エ) 象限Dでは、市場が飽和に達しつつあり、現状の戦略をさらに推進することにはリスクが伴う。




















(解説)
本設問を解く上での前提条件に関しては、前回の過去問チャレンジ(コチラ)で説明済みなので、それを踏まえてさっそく各選択肢を検証する。

ア:特に違和感はない。象限Aは「企業の市場シェア=減少」「対象市場の成長率=減少」なので、売上高は大きく減少することになる。そもそも対象市場として適切なのかを再考した上で、場合によっては当該市場から撤退することも視野に入れた検討が必要となるだろう。もちろん対象市場の適否判断の結果として、競争戦略を再検討することも求められることになる。恐らく正解選択肢だと思われるが、他の選択肢を確認した上で最終判断する。一旦保留。

イ:象限Bにおいては対象市場の成長率は増加している一方で、企業の市場シェアは減少している。ここからわかることは、問題は対象市場そのものにあるわけではなく、当該企業自体にのふるまいに問題があるということである。より具体的に言えば、当該企業が対象市場における競合企業と競争劣位である、すなわち競争戦略自体に何かしらの問題があることが考えられる。以上の仮説に基づく当該企業が最初にとるべきアクションは、対象市場の再選択ではなく競争戦略そのものの見直しであるべきだろう。よって「対象市場の再選択が優先順位の高い作業となる」は誤りなので、×である。

ウ:シンプルに言えば、「象限Bと象限Cとで同程度の売上増を目標設定した場合、どちらが多くのマーケティング費用を要するか」という題意である。ここで象限BとCとでそれぞれ減少している要素に着目すると、象限Bは「企業の市場シェア」、象限Cは「対象市場の成長率」であることがわかるが、ではどちらの減少を食い止める方がより大変(≒多くのマーケティング費用を要する)だろうか?シンプルに言えば、「より枠組みが大きい要素」の減少を食い止める方が当然より大変なはずであり、その前提で考えれば、マーケティング費用の大きさは「対象市場の成長率 > 企業の市場シェア」となるだろう。よって「Bの方がより多くのマーケティング費用が必要となる」は誤りなので、×である。
より中小企業診断士っぽい解説をすると、「対象市場の成長率」は例えて言えばSWOT分析における「PEST分析レベル」の内容であり、「経済的に~」「政治的に~」「社会的に~」「技術的に~」のようなマクロレベルの脅威に対して自社の強みを活かして対応していかねばならない。一方で「企業の市場シェア」は「5force分析」や「競争戦略レベル」の内容であり、ミクロレベルの脅威に対して自社の強みを活かして対応していくことになる。以上を踏まえても、マーケティング費用の大きさは「対象市場の成長率 > 企業の市場シェア」となることをご理解いただけるだろう。

エ:象限Dでは「対象市場の成長率=増加」となっていることから、市場は成長しているということになる。その前提を踏まえれば、「市場が飽和に達しつつあり」は誤りなので、×である。


以より、アが正解である。

(解答)
(ア)


マジコン診断士

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【キャリア】「戦略」と「実行」

「戦略」という言葉はなんとなくかっこよく見える。


経営コンサルタントという職業に憧れを抱く人が多い要因の一つとして、経営コンサルタントが「戦略」の立案を生業の一つとしていることにあるのではないかと思っている。


とはいえ、「戦略」が機能しなかったり実行されなかったことにより、「戦略」が絵に描いた餅に終わるケースは多い。


筆者はいつも言っている通り、実行されない戦略が書かれた診断報告書やコンサルティングレポートは「ゴミ以下」なので、あなたは絶対にそんなものを世に出してはいけない。



ではなぜ戦略が機能しなかったり実行されなかったりするのだろうか?


その要因の一つに


「戦略」と「実行」を分けて考えてしまうこと


があると考える。




経営コンサルタントの仕事というと、「優れた戦略を立案すること」と考える人が多い。


しかし当たり前のことだが、実行されない戦略に価値などあるはずがない。



極論を言えば、


「かっこよくても実行されない戦略が書かれたレポート」より、「かっこ悪くても実行される戦略が書かれたレポート」の方が圧倒的に価値がある


のである。


実務補修であれ、リアルなコンサルティングであれ、あなたは実行されない戦略だけは立案してはいけない。


クライアント企業はそんなコンサルごっこにお付き合いしている時間も金もないのである。


マジコン診断士

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【1次試験】企業経営理論の過去問チャレンジ ~マーケティング目標設定(前編)

今回は2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。

今回からはいよいよマーケティング論の範囲に入る。


それではさっそく過去問チャレンジ!

【過去問チャレンジ】
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。(平成25年度企業経営理論 第24問 設問1)


 企業は、その利益実現のための要素のひとつとして売上高の変化に関心を持つ。そして、売上高の変化にどのように戦略的に対応していくかを意思決定することが求められる。
 ここで、

  企業の売上高=対象市場規模×市場シェア

という定義式を用いることにする。この式の内容を図式化すると下図でとらえることができる。これを見ると、企業の売上高は対象とする市場全体の成長率だけでなく、市場シェアの変化によっても多様に変動することが分かる。また、このことは企業の戦略適応の方法が異なることも示している。
            H25-24.png

(設問)
 文中の下線部に示す「売上高の多様な変動」について、図の各象限における売上高の変動パターンを検討した場合、最も適切なものはどれか。

(ア) 象限Aでは、売上高は微減の方向へと向かっていく。
(イ) 象限Bでは、売上高に変化が見られないことがある。
(ウ) 象限Cでは、売上高は減少することになる。
(エ) 象限Dでは、売上高が減少するケースも起こりうる。




















(解説)
本設問は「売上高の変動パターン」に関して問われている。この題意を踏まえた場合、選択肢を検証する上で、重要はポイントがある。

それは、

設問文に記載されている定義式”企業の売上高=対象市場規模×市場シェア”の要素である「対象市場」と「市場シェア」が、図のマトリックスの縦の項目(企業の市場シェア)と横の項目(対象市場の成長率)が対応していること

である。

つまり、定義式”企業の売上高=対象市場規模×市場シェア”を踏まえれば、売上高は図のマトリックスの縦の項目と横の項目の乗算で算出されるということになる。

この前提をきちんと踏まえれば、この設問は容易に解答可能である。


以下、各選択肢を検証する。

ア:象限Aは「企業の市場シェア=減少」、「対象市場の成長率=減少」なので、売上高の変動パターン(縦×横を乗算したもの)は「売上高は大きく減少」になるはずである。ゆえに「象限Aでは、売上高は微減の方向へと向かっていく」は誤りなので、×。

イ:象限Bは「企業の市場シェア=減少」、「対象市場の成長率=増加」なので、売上高の変動パターンは以下の3パターンが考えられる。
・パターン①:「市場シェアの減少割合 > 対象市場の成長率増加割合」の場合
 →売上高は減少
・パターン②:「市場シェアの減少割合 = 対象市場の成長率増加割合」の場合
 →売上高は変化なし
・パターン③:「市場シェアの減少割合 < 対象市場の成長率増加割合」の場合
 →売上高は増加
以上より、「象限Bでは、売上高に変化が見られないことがある」は上記パターン②に該当するため正解である。恐らく〇であろうが、念のため他の選択肢を検証した上で決定する。

ウ:象限Cは「企業の市場シェア=増加」、「対象市場の成長率=減少」なので、売上高の変動パターンは以下の3パターンが考えられる。
・パターン①:「市場シェアの増加割合 > 対象市場の成長率減少割合」の場合
 →売上高は増加
・パターン②:「市場シェアの増加割合 = 対象市場の成長率減少割合」の場合
 →売上高は変化なし
・パターン③:「市場シェアの増加割合 < 対象市場の成長率減少割合」の場合
 →売上高は減少
以上より、「象限Cでは、売上高は減少することになる」は上記パターン③しか説明しておらず、パターン①、②を無視しているため誤りとなり、×となる。

エ:象限Dは「企業の市場シェア=増加」、「対象市場の成長率=増加」なので、売上高の変動パターン(縦×横を乗算したもの)は「売上高は大きく増加」になるはずである。この場合、売上高は必ず増加することになり売上高が減少する場合は発生しえないため、「象限Dでは、売上高が減少するケースも起こりうる」は誤りであり、×となる。


以より、イが正解である。

(解答)
(イ)


今回セレクトした問題は難易度が高いものではない。
むしろここであなたに学んでいただきたいことは、文章と図を丁寧に結び付けて読み解くことの重要性である。これは2次試験にも通じるものなので、なんとなく文章と図を読んでわかった気になって解くのではなく、きちんとお互いを対照しながら丁寧に読み解く習慣をつけてほしい。


マジコン診断士

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【キャリア】コンサルティングファームにも分類があるって知ってる?

筆者は学生時代、学習塾のアルバイトをしていたのだが、その時の教え子たちとは今でも交流がある。


昨年、とある教え子から「コンサルティングファームへの転職を検討しているので、相談に乗ってほしい」との連絡があった。


彼は新卒入社後から一貫してSE(システムエンジニア)の仕事をしており、企業の情報システムの情報戦略を立案する上流工程の仕事に就くことを望んでいた。


先日実際に会って様々なアドバイスをしたところ、某総合系コンサルティングファームへの転職が決まったとの報告をもらった。



本ブログの読者にもコンサルティングファームへの転職を考えている人が一定数いると思うが、まず転職に向けてあなたが知るべきなのは


コンサルティングファームにもいくつかの分類がある


ということである。



まあ、昨今は各ファームも担当領域が多様化しているので、その分類の境界が曖昧になってきているのも事実なのだが、ざっと挙げると以下の通りである。
※公式な分類方法があるわけではないので、あくまで筆者の理解に基づくおおまかな分類である点はご留意いただきたい。厳密にはさらに細かく分類することもできる。


・戦略系
・シンクタンク系
・総合系(業務/IT系)
・人事系
・財務アドバイザリ系
・監査法人系


上記の分類ごとで職務内容は異なってくるため、あなたが真剣にコンサルティングファームへの転職を希望しているのであれば、その差異をきちんと理解しておく必要がある。
※上記分類の詳細はご自身でサーベイしてみてほしい。


なぜならば、


職務内容の差異によってあなたの強みや保有能力が相手に響くものなのかどうかが変わる


からである。



ちなみに今回アドバイスを求めてきた元教え子に対して、筆者は総合系(業務・IT系)か監査法人(ファームではなく監査法人そのもの)をチョイスすることを具体的な社名と併せてアドバイスした。


彼の強みはハードウェアを中心とした基盤系ITの知識と実務経験だったので、その特性を見て最も欲しがるであろうファームの分類は総合系(業務・IT系)もしくは監査法人系であると考えたからである。


結果、筆者の目論見通り彼は総合系ファームへの転職が決まった。なお、監査法人からもちゃんと内定をゲットしている。




今回の筆者のアドバイスは極めてオーソドックスなアプローチであったが、先ほどもお伝えした通り、コンサルファームの分類の境界はますます曖昧になってきている。


例えば、かつては戦略系ファームにおいてIT系キャリアの人材の採用ハードルは極めて高かったのだが、近年はIoTやAIが話題になっている通り、これまで以上にITの戦略的地位が高まっているため、かつてとは状況が変わってきたという感覚を持っている。


その意味で言えば、あなたがご自身の自己分析と相手の分析をしっかりし、あなたがファームで活躍できるストーリーをしっかりと面接官に伝えることができ、面接官がそれをきちんと理解すれば、どの分類のファームであってもチャンスはある時代と言えるだろう。



正に


彼を知り己を知れば百戦殆うからず


ということである。




但しあなたに勘違いしていただきたくないのだが、転職というものはどの業界であれ、やはり「タイミング」というものが非常に重要になる。


転職を経験されている方は感じたことがあるかもしれないが、相手にニーズがないタイミングでは面接どころか書類審査すらパスすることはない一方で、相手にニーズがあるときには驚くほどあっさりと内定が出ることもある。


これはコンサルティング業界に限らず、あらゆる業界に言えることだろう。


マジコン診断士

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【読書をしましょう】正に問題解決のバイブル

今回の記事は「読書をしましょう」である。


前回の「読書をしましょう」(コチラ)では、問題解決に関する読者の入り口の敷居を下げるために、敢えて”アマチュアの問題解決”を学べる書籍をご紹介した。


今回ご紹介する書籍も問題解決の考え方の基本を学べる書籍ではあるが、コンサルティングファーム入社前、または入社直後のコンサルタントの多くが読む書籍である。その意味で言えば、コンサルタントの問題解決に関する書籍としては、本書からがいよいよ本番ということになる。
※筆者も最近でこそこの本を開くことはさすがになくなったが、若かりし頃はこの本を何度も何度も読み返したものである。部下にも必ず読むことを薦めている書籍なので、新版が出た際には筆者も買い直した。


今回あなたにご紹介する書籍は以下である。



「問題解決の基本といったらこの書籍」というくらい相当有名な書籍なので、すでにお読みになったたことのある読者もかなり多いことだろうと思う。


筆者はかつて、若手コンサル向け問題解決研修の講師を勤めていたことがあるのだが、その教材作成の際には本書もかなり参考にさせていただいた。それほど問題解決に関して体系的に書かれた書籍である。



著者はマッキンゼーのコンサルタントだが、中身は非常に分かりやすく書かれており、戦略コンサルタントがどのようなアプローチで問題解決をしていくかの基本的な考え方を体系的に学ぶことができる。



本書は以下の4つの章から構成されている。

第1章:思考編
ゼロベース思考、仮説思考

第2章:技術編
MECE、ロジックツリー

第3章:プロセス編
課題設定、解決策の仮説、解決策の検証・評価
※第1章、第2章の内容を駆使した問題解決のプロセス

第4章:実戦編
大手家庭用品メーカーP社の事例に基づく問題解決の実戦




本ブログを継続的にお読みいただいている読者であれば、


「なんか折に触れてマジコンがブログに書いているようなワードが多いなぁ」


と思うかもしれない。



まあ、それだけ問題解決の基本がしっかり書かれている書籍ということである。



ハッキリ言って、本書に書かれている内容をしっかり理解すれば、問題解決の基本的な考え方に関してそれ以上座学として学ぶことはほとんどないと思う。


ただし、全体的に非常にわかりやすく説明されているため、なんとなくわかった気になってしまう点は要注意である。


いつも筆者が言っている通り、「わかったこと」と「実践できること」はまったく別物である。


ゆえに、これからご自身が所属している組織で問題解決をしようとしている読者、実務補修や診断士としての活動で問題解決をしようとしている読者は、この本に書かれていることを自身できちんと実践できるようになるまで、何度も何度も読み返してほしいと思っている。



この書籍に書かれている内容をただ知っているだけでは何の価値を生み出すこともできない。


問題解決に当たる際にはぜひ本書をバイブルのように活用し、実践できているかどうかを適宜しっかりと確認していってほしい。


マジコン診断士

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【1次試験】企業経営理論の過去問チャレンジ ~能力開発

今回は2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。

それではさっそく過去問チャレンジ!

【過去問チャレンジ】
企業経営の中で人材育成は不可欠の要件の1つである。その手法としての能力開発の体系や手法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。(平成20年度企業経営理論 第24問)

(ア) CDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)は、社員各自の希望と企業の人材ニーズに照らした長期的なキャリア・プランに基づく教育訓練と人事評価や処遇を合わせて行う必要がある。
(イ) OFF-JTは、集合教育、外部の講習会への参加などで、通常の業務遂行外で行われるため、計画的に実施することができる長所がある。
(ウ) OJTは、上司や先輩が部下に対して日常的に業務上の知識や技能を指導する方法で、その成果が仕事に直接反映されやすい長所がある。
(エ)教育訓練は、一般に階層別教育訓練、職能別教育訓練および課題別教育訓練から構成される。
(オ) 自己啓発は、社員の自発性に根ざした自らが必要と考えている業務上の知識のレベルアップや他の知識の取得および自己の関心事について自ら挑戦することで、自己啓発意欲を支援する趣旨から企業がその費用の一部を支援する義務がある。




















(解説)
能力開発に関する問題である。さっそく各選択肢を検証する。

ア:違和感はない。CDPを一言で言えば、企業が従業員を育成するプログラムのことである。企業が求める能力と従業員のキャリアプランのすり合わせを行いながら、従業員の能力を中長期的な視点で計画的に開発していく取り組みのことである。ゆえに〇。
2次試験合格を目指す受験生は、事例Ⅰで人材育成面の観点から答案を書く際に、CDPを絡めて答案を構成する場合もあるだろう。そのような場合に備え、この選択肢で意味をしっかりと理解しておいてほしい。

イ:特に違和感はない。OFF-JTは”OFF the Job Training”の略称である。英語の前置詞"off~"は、コアの意味として「~から離れて」という意味になるので、”OFF the Job Training”は「仕事から離れた教育訓練」、すなわち社内外の集合研修や外部セミナー等を通じた教育訓練となる。OFF-JTは知識・技術を計画的かつ体系的に学べるというメリットがある反面、内容が抽象的なため即実務に直結しない内容となりやすい、(社外だと)コストが発生するというデメリットもある。ゆえに〇。

ウ:特に違和感はない。OJTは”On the Job Training”の略称である。英語の前置詞”on~”はコアの意味として「~に接触して」という意味になるので、”On the Job Training”は「仕事にくっついた教育訓練」、すなわち上司や先輩が実際の仕事を通じて部下や後輩を指導して、実務に必要な知識・技能を習得させる教育訓練となる。ゆえに〇。従業員特性に合わせた教育が可能、実務に即した実践的な教育が可能、(外部のOff-JTと比較して)コストが安く済むというメリットがある反面、教育成果が指導者の指導力に左右される、体系的な知識・技術の習得が難しいというデメリットもある。ゆえに〇。

エ:これは知っているか知らないかだけの話なのだが、一般的に教育訓練の基本体系は①階層別教育訓練、②職能別教育訓練、③課題別教育訓練という3つで構成される。ゆえに〇。これはここで覚えておくようにしよう。
①階層別教育訓練は、企業の組織階層ごとに行われる教育訓練である。資格等級制度が導入されている企業は、資格等級を階層と解釈すればよい。資格等級制度が導入されていない企業は、部長、課長、係長等の役職や、管理職、一般社員等の管理区分を階層と解釈することになる。例としては、新入社員研修、新任管理職研修等が挙げられる。
②の職能別教育訓練は、営業、製造、経理等の職能ごとに行われる教育訓練である。例としては、機能別組織を採用している企業の各部門が、専門分野の技能を高めるために実施する研修等が挙げられる。
③の課題別教育訓練は、目的別に実施される教育訓練である。例としては、海外勤務者向け研修、資格取得者向け研修、ロジカルシンキング研修等が挙げられる。
なお、上記知識が曖昧で本選択肢の判別がつかない場合は、選択肢オとの比較対象で判断したい。

オ:「自己啓発意欲を支援する趣旨から企業がその費用の一部を支援する義務がある」で違和感を感じたあなたは、その感覚でOK。なぜ社員の自己啓発に対して、企業がその費用の一部を支援する義務があるのか?もし企業にそのような義務があるのであれば、あなたの所属している組織は、あなたが中小企業診断士資格取得に必要な費用を負担せねばならなくなる。そういう自己啓発支援制度を用意している企業もあるかもしれないが、義務ではないので×。


以より、オが正解である。

(解答)
(オ)


今回のセレクトした過去問は、正解すること自体はそれほど難しくない。むしろ2次試験の事例Ⅰ対策を見据え、能力開発の方法に関して各選択肢をしっかりと吟味し、理解を深めておいてほしい。


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【2次試験】なんとなく勉強を進めていませんか?

2018年に入ってもうすぐ1ヵ月になろうとしている。


昨年の2次筆記試験通過が叶わなかった受験生も、2018年度2次試験の合格に向けて、勉強を進めていることだろうと思う。



さて、ここでそんなあなたに質問である。


なんとなく勉強を進めていませんか?



昨年の2次筆記試験にチャレンジした経験のあるあなたであればよくおわかりであろうが、2次筆記試験は1次試験と異なり、多くの勉強時間を投入すればその分だけ合格突破に近づくような性質の試験ではない。


それこそ、コツさえつかんでしまえば多くの時間を投入せずとも合格できる可能性もあるし、勉強の方向性を誤ればいくら時間を投入しても合格突破は難しい。そんな試験である。
※以上のような試験の性質を踏まえ、2次試験に挑むあなたに最低限知っておいてほしことを有料コンテンツ(「2次筆記試験に向けたかなりディープな入門ガイド」と「2次試験事例Ⅳで60点以上を奪取するための戦略的学習ガイド」)としてご提供している。このところまたご購入いただいている方が増加しているのはだが、その理由は筆者にもわからない…。


以上のような2次試験の性質を踏まえれば、今年の2次試験に向けては


昨年の試験で明らかになった課題をしっかりと明確化し、2018年はその課題を解決するための1年とする必要がある


ということである。



筆者がこのようなことを言うと


「そんな当たり前のこと、なにを今更言っているんだよ。当たり前じゃないか。もうやっているよ!」


と感じる読者もいるかもしれない。




それではさっそく確認してみよう。



2017年度2次試験における各事例・各設問別のご自身の再現答案を見たとき、各設問毎の答案は以下のいずれに該当しているだろうか?



-------------<D評価答案>-------------

①何も書いていない
②問われたことに答えていない(題意を外している)

-------------<C評価答案>-------------

③題意は合っているが出題者の意図した方向性の答案となっていない。

-------------<B評価答案>-------------

④出題者の意図した方向性の答案ではあるが、合格水準の答案となっていない。
 例)一般論答案となっている、論点が不足している、論理的ではない

-------------<A評価答案>-------------

⑤出題者の意図した方向性の答案であり、概ね必要な論点が盛り込まれ、具体性・論理性がある答案となっている。





あなたが課題を明確化していると言うのであれば、当然のことながら各事例の設問毎に上記の評価ができているはずである。


そしてもちろん、上記評価をしただけで課題設定が終わるはずがない。


あなたが課題を明確化する上では、自身で評価した答案がなぜそのような答案になってしまったのかについて、その原因を「なぜなぜ分析」を通じて掘り下げていき、問題点の真因にたどりつかねばならない。



例えば以下の通りである。


・なぜ白紙答案になったのか?
 →タイムマネジメントミス?なぜタイムマネジメントをミスした? 続く…
 →わからなかった?なぜわからなかった? 続く…

・なぜ問われたことに答えていない?
 →設問文を読み間違えた?なぜ読み間違えた? 続く…
 →何を問われているかわからなかった?なぜわからなかった? 続く…


もちろん、上記の「続く…」以下は、あなたが解決できる単位の問題点にたどり着くまでひたすら続ける必要がある。



合格発表後速やかに得点開示請求をした受験生は、そろそろ請求結果が手元に届くころだろうと思う。


得点開示請求の結果があなたの手元に届けば、上記作業をより精緻に実施できることだろう。


現時点ではあなたの手元にはABCD評価しかないかもしれないが、それをベースに今のうちに上記作業を行うことで、予め仮説設定しておくことをおススメする。


そうすることで、得点開示請求結果によって(一定範囲での)仮説検証を行うことができ、あなたがより正しい課題設定を行うための大きなヒントとなることだろう。


今年は自身の課題設定に基づいた正しい勉強の方向性を定めることで、効率的かつ効果的に勉強を進めて合格を勝ち取りましょう!!


マジコン診断士

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【1次試験】企業経営理論の過去問チャレンジ ~組織活性化(Final)

今回は2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。

それではさっそく過去問チャレンジ!

【過去問チャレンジ】
企業が長期に成長・発展していくためには、シングルループ学習とダブルループ学習を適切に切り替えて行っていく必要がある。このことに関する記述として、最も適切なものはどれか。(平成20年度企業経営理論 第19問)


(ア) 業績評価基準を成果主義型から過程重視型にシフトすることを通じて、シングルループ学習を抑え、ダブルループ学習を促進する可能性が高くなる。
(イ) 計画策定部門と執行部門を明確に区分し、適切なコミュニケーションを確保する組織を構築することで、シングルループ学習とダブルループ学習を適切に切り替える可能性が高くなる。
(ウ) 執行部門により多くの権限を委譲することを進めると、シングルループ学習を促進し、ダブルループ学習を阻害する可能性が高くなる。
(エ) 職務を細分化し、過程別専門化を進めていくことが、シングルループ学習を阻害し、ダブルループ学習を促進する可能性を高める。
(オ) 専門化された各部門の責任・権限を明確化することを通じて、シングルループ学習を抑え、ダブルループ学習を促進する可能性が高くなる。




















(解説)
組織学習に関する問題である。

シングルループ学習とは、既存の考え方や枠組み、行動基準に基づいて問題解決を行う学習活動のことである。一方のダブルループ学習とは、既存の考え方や枠組み、行動基準そのものを見直して行う学習活動のことである。環境の変化が激しい中においては、組織はシングルループ学習だけでは継続的成長を実現することは困難である。既存の考え方や枠組み、行動基準そのものを見直すダブルループ学習することで、組織は革新的な進化を遂げる契機にすることができるということである。

以上の前提知識に基づき、各選択肢を検証する。

ア:「業績評価基準を成果主義型から過程重視型にシフトする」ということは、「成果重視」ではなく「プロセス重視」の業績評価へシフトすることを意味する。プロセス重視の業績評価を簡単な言葉にすれば、「プロセスをしっかりこなしていれば、成果は問わない」ということに他ならない。そのような評価制度であると、既存の考え方や枠組みにとらわれた学習プロセスを行うインセンティブを従業員に与えることになるだろう。一方で成果主義型の業績評価を簡単な言葉にすれば、「プロセスは問ないので、とにかく成果を出せ」ということである、このような評価制度であれば、成果を達成するために既存の考え方や枠組みにとらわれない学習プロセスを導きやすいと言える。以上より、選択肢の文「シングルループ学習を抑え、ダブルループ学習を促進する可能性が高くなる」は、「ダブルループ学習を抑え、シングルループ学習を促進する可能性が高くなる」が正しい。ゆえに×。

イ:特に違和感はない。執行部門は「現場」でリアルに顧客や競合と対峙しているため、どちらかというとシングルループ学習を行う傾向にある、一方で計画策定部門は、経営層と直接コミュニケーションを取りながら経営計画策定をすることも多く、リアルな現場から離れたポジションで業務遂行する役割であることから、どちらかというとダブルループ学習を行う傾向にある、この相反する性質を持つ2つの部門において「適切なコミュニケーションを確保する組織を構築」できれば、シングルループ学習とダブルループ学習を適切に切り替える可能性が高くなるだろう。ほぼ間違いなく正解選択肢であろうが、念のため他の選択肢を検証した上で判断する。

ウ:論点は「執行部門(いわゆる現場部門)により多くの権限を委譲した場合に促進されるのは、”シングルループ学習”と”ダブルループ学習”のいずれか?」ということである。もしわかりにくい場合は、問題文を反対の意味にひっくり返して、「執行部門への権限移譲をしない場合」はどちらの学習が促進されるか考えてみてほしい。権限移譲しないということは、「兵隊である執行部門は〇〇だけやっておけばよいのだ!」と計画部門が執行部門をガチガチに管理している状態である。このような状態であれば、もちろん促進されるのはシングルループ学習である。ということは、その逆の「より多くの権限を委譲した場合」に促進されるのはダブルループ学習になるはずである。以上より、選択肢の文「シングルループ学習を促進し、ダブルループ学習を阻害する可能性が高くなる」は誤りであり×となる。

エ:「職務を細分化し、過程別専門化を進めていく」と、職務が明確になると共に専門性は高まるが、職務・過程内での学習が進むことになり、シングルループ学習を促進する可能性が高まることになる。よって選択肢の文「シングルループ学習を阻害し、ダブルループ学習を促進する可能性を高める」は誤りなので、×。

オ:選択肢エとほぼ同様の論点である。「専門化された各部門の責任・権限を明確化する」と、部門の責任権限が明確になると共に専門性は高まるが、部門内での学習が進むことになり、シングルループ学習を促進する可能性が高まることになる。よって選択肢の文「シングルループ学習を抑え、ダブルループ学習を促進する可能性を高める」は誤りなので、×。


以より、イが正解である。

(解答)
(イ)


マジコン診断士

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【キャリア】コンサルタントとしての力を限界以上に引き出すもの

「マジコンはよくそんなに勉強するモチベーションが続くな」


「マジコンはよくそんなに仕事のことばかり考えることがでるな」


「マジコンは意識高い系だよな」



これは筆者が友人と会った際によく言われることである。




以上の言葉を他者から聞いたときに、筆者は「きっと感心半分、揶揄半分で言っているんだろうな~」くらいの気持ちで聞いており、真面目に回答することはそれほど多くない。


厳密に言えば、真面目に回答すべき相手だと判断できれば真面目に回答する。要は相手を選んで回答を変えるということである。




さて、本記事でお伝えしたい論点は、他者が自分をどのように評価しているかどうかではない。
※いつも本ブログでお伝えしている通り、筆者が幸福と考えるものを得る上で「他者が自分をどう思うか」は一切関係がない。



本記事で論点にしたいことは


そのモチベーションの源泉はどこにあるのか?


ということである。




この論点に関しては、自分なりに自己分析して明確に1つの答えが出ているので、あなたにお伝えしたい。



結論から言えば、それは紛れもなく


他者への貢献に対する思い


である。




筆者は、おおよそ3~4社程度の企業を並行してコンサルティングしているが、その過程で、クライアント企業の経営者や従業員、場合によっては取引先の人とも関わりを持つ。


当然、顔も名前も覚えているし、多くの人々と直接本音ベースでの会話をしている。
※本音を引き出せない人もいるが…。


それらの会話を通じて様々な人と関わりを持っていると、その人たちの喜び、怒り、悲しみ、楽しみを直接感じることができる。


日々の会話の中では、その人たちの生活や家族のことも見聞きするため、それらを想像することができるようになる。




筆者がクライアント先を訪問すると、多くの従業員の方が挨拶をしながら


「お!マジコンさん!最近どうですか?」

「あ、マジコンさん!ちょっと聞いてくださいよ。こないだ部長に〇〇って言われたんですよ!どう思います?」


なんて、あたかも同じ会社の従業員のように気軽に話しかけてきてくれる。
※筆者はふんぞり返って偉そうに評論するタイプのコンサルではないのも理由かも…。




ここであなたに質問である。


ここまで個人的に関わりを持った人々が、コンサルタントであるあなたの働きに対して大きな期待と希望を持っていたとしよう。


あなたはその人たちに対して、いい加減な気持ちで応えることが本当にできるのだろうか?


高いコンサルティングフィーをもらえさえすれば、それであなたは満足なのだろうか?



もしここまでの内容を読んでも筆者の言わんとすることをあなたが理解できないのであれば、あなたは今すぐコンサルタントを目指すことをやめた方がよいだろう。



なぜならば、


「相手のために役に立ちたい」という思いはコンサルタントのモチベーションの正に源泉であり、それがない人にこの仕事で価値提供をすることはできないし、できたとしても長くは続けられない


と筆者は考えるからである。



逆にこの記事を通じて筆者の言わんとすることを(感覚的にでも)想像できる、理解できる人は、きっとよいコンサルタントになることができるだろう。



なぜならば、


「他者への貢献に対する思い」はあなたの力を限界以上に引き出してくれる


からである。



あなたがコンサルタントとして「成長したい」と強く思っており、多くの勉強を継続できるのは、「あなたを必要としている(あるいは将来あなた必要とするであろう)人たちの期待と希望」がその源泉にあるはずである。


コンサルタントとしてキャリアを積む上では重要なポイントなので、ぜひ頭の隅に置いておいてほしい。


マジコン診断士

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【1次試験】企業経営理論の過去問チャレンジ ~組織活性化(2)

今回は2018年度の1次試験突破を目指す受験生に向けた記事である。

それではさっそく過去問チャレンジ!

【過去問チャレンジ】
互いに激しい競争をしている複数の企業に対して、工場で使用されている生産設備の一部を納入している企業P社がある。P社の製品は、それぞれの工場のエンジニアたちによって微妙に修正が施されたりP社の想定とは異なる使用方法で利用されたりしているという。このような状況下で、P社の新商品企画が競争優位を維持する方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。(平成20年度企業経営理論 第17問)

(ア) P社と顧客企業とを自動受発注情報システムを通じてリンクし、ジャストインタイムで情報が共有できるようにする。
(イ) P社の技術者と営業担当者が連携して、直接顧客企業の工場に入り、顧客企業のエンジニアと直接対話する機会を増やす。
(ウ) P社の研究開発投資を削減し、その分を営業費用に回し、顧客企業の工場から情報収集をできるようにする。
(エ) 業界の技術情報を詳しくレポートするコンサルタントと契約し、新商品の動向に関する情報を得る。
(オ) 複数の企業の多様性に対応するには、商社や問屋などを通じて営業活動をし、調査報告書を提出してもらう。




















(解説)
何の論点を問われているのかを掴みづらいが、問題文が長いので論点を整理すると以下の通り。

<設問文記載事項>
・P社は生産設備の一部を複数の企業に納入
※顧客(納入先)企業は互いに激しい競争をしている
★P社の製品は
 ①それぞれの工場のエンジニアたちによって微妙に修正が施される
 ②P社の想定とは異なる使用方法で利用されている

<題意>
以上の状況下で、P社の新商品企画が競争優位を維持する方法は?


整理した論点からわかることは、以下の2点

<わかったこと①>
★の部分がなぜ発生しているのかがそもそもわからない。

<わかったこと②>
あくまで新商品企画が競争優位を維持する方法を検討する。


これ以上のことは設問文からは読み取れないため、各選択肢を検証してみる。


ア:自動受発注システムで実現できることは何だろうか?それは、顧客からの発注内容(製品、数量、希望納期等)をP社がジャストインタイム(要はタイムリーに)で把握できるようになることである。このことから、自動受発注システム構築の期待効果は、①顧客企業とP社とのタイムリーな受発注情報の共有ができることと、②双方の受発注業務が効率化すること、③双方の認識齟齬が抑制できることの3点くらいと想像ができる。この選択肢の内容では、そもそも★の発生要因はわからない。もちろん、受発注システムが新商品企画に活かせるかどうかもこの選択肢では判別することは困難である。ここまで情報が不足し曖昧だと正解選択肢ではない可能性が極めて高いが、一旦保留。

イ:これは違和感はない。そもそも★の発生要因がわからないのだから、P社の技術者と営業担当者が直接顧客企業の工場に入り、顧客企業のエンジニアと直接対話すれば★の要因はほぼ確実に判明する。そしてその要因がわかれば、P社はその要因に基づいて新商品企画に活かせるという道筋ができるく可能性が高く、P社の新商品企画が競争優位を維持できるだろう。若干モヤモヤ感は残るが、この選択肢はかなり妥当性が高そうである。とはいえ、他にさらに妥当性の高い選択肢があるかもしれないので一旦保留。

ウ:「そもそもなぜ研究開発投資を削減してその分を営業費用に回すのか」がわからないので、その施策に問題がないのかどうかも判定できない。そして何より、営業費用を増やすということは営業人員に厚みを持たせることが推測されるが、営業担当が工場から情報収集したところで、彼らに技術的な内容がわかるのだろうか?やはりここは、「P社の技術者と営業担当が連携して」情報収集すべきであろう。この時点で、本内容は選択肢イ「P社の技術者と営業担当者が連携して」と対極的な内容であることがわかるため、選択肢イは〇、選択肢ウは×である可能性が高まった。本選択肢はこの時点で×と判断してもよいだろう。

エ:業界の技術情報を詳しくレポートするコンサルタントから得られる情報は、あくまで技術動向等の一般的な内容である。一方で★の部分はP社の顧客の現場で実際に起きているわけであり、コンサルから得た情報にヒントがあったとしてもそれは間接的な情報に過ぎない。P社は顧客の現場から生の情報を収集すべきであり、その意味で言えばP社の新商品企画が競争優位を維持する方法としては妥当ではない。ゆえに×。

オ:★の要因に関して、商社や問屋等の流通企業からもヒントは得られるかもしれないが、(選択肢エと同様に)P社が間接的な情報を重視することに妥当性がない。P社はメーカーとして、まず自分の目と耳と足で確かめてこいという話である。その意味で言えば、選択肢エとほぼ同義の内容で仲間同士の選択肢と考えられるため、この時点でエ、オともに×と判断できる。


以上を踏まえて総合的判断すれば、イが正解選択肢と判断できる。

(解答)
(イ)




この問題、ちょっとモヤモヤするかもしれない。


なぜモヤモヤするかと言えば、

テキストに載っている知識でバシっと解答を当てられる類の問題ではない

からである。



中小企業診断士の1次試験はこのような問題も多い。設問文と選択肢をしっかり読んで、自身の知識と思考を駆使してじっくり解く問題にも慣れていく必要があるだろう。


マジコン診断士

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現役コンサルタント。中小企業診断士試験独学ストレート1発合格。モットーは卓越した本質的スキル・知恵に基づく”マジなコンサル診断士”であり続けること。
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